出版社内容情報
偶然の産物か,創造者の手になる作品か-ビッグ・バン宇宙論の精密な描像は,神学的な問いを呼び起こす.ヒューム宗教批判の再検討を踏まえ,現代宇宙論の哲学的含意を批判的に吟味する.人間という「不自然な」宇宙の位置とは.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いまにえる
2
哲学において宇宙はどのように考えられてきたかを書いた本。やはりパスカルの『パンセ』は知的でユーモラスな表現もあって面白そうだ。私は宇宙論に興味があるので、虚の時間から宇宙が発生したとかビックバン、インフレーションとかの理論を少しは知っているし、その偶然性について畏怖を覚えたこともあるので少し哲学者たちに親近感も持てた。宇宙は(そして人類も)神が作ったと考えられるほど秩序がある一方、神の似非であるような不完全さを持つ、その点で宇宙も人間も同じ「科学」で探求できると思われるようになったのだろうなと思った。2018/08/04