出版社内容情報
『若きウェルテルの悩み』によって世に知られたゲーテは,二十六歳の若さでワイマル公国の宮廷に招かれる.一国の政治を担うことになった文学者は,何をなしえたのか.「旅人の夜の歌」と題する二篇の詩を手がかりに,日独の文化交流に尽力してきた著者が,自らの半生と重ねつつ,若きゲーテのワイマルでの日々を描きだす.
内容説明
『若きウェルテルの悩み』によって世に知られたゲーテは、二十六歳の若さでワイマル公国の宮廷に招かれる。小国とはいえ、一国の政治を担うことになった文学者は、そこで何をなしえたのか。政治・行政に全力で取り組んだ日々に歌われた二篇の詩「旅人の夜の歌」を手がかりに、ナチスの強制収容所へいたるドイツ文化の深層を、歴史的背景とともに描きだす。
目次
1 ワイマル(手紙;ワイマル到着;ワイマル初期のゲーテ;その名もきよきワイマル;北郊の小山エッタースベルク;永住への迷いと決断;シュタイン夫人;母公妃アンナ・アマーリア;「旅人の夜の歌」その一)
2 憩いの歌(イルメナウ;ハールツ冬の旅;キッケルハーンの山頂で「旅人の夜の歌」その二;山からの手紙;人間存在をうたう;英訳、仏訳;邦訳の数々;ギリシャ詩の模倣か;シューベルトの作曲;うたのしらべ(韻律))
3 のちの日々に(五十二年後のエッタースベルク;八十二歳の日々;ゲーテの保守主義;文化と政治)
4 ブーヘンヴァルト強制収容所(ブーヘンヴァルト;ゲーテの槲;山の上;強制収容所とワイマル市;解放;一九四五年の「旅人の夜の歌」)
著者等紹介
小塩節[オシオタカシ]
1931年長崎県佐世保生れ。東京大学文学部独文科卒。国際基督教大学、中央大学文学部教授、フェリス女学院院長・理事長を歴任。その間、駐独日本国大使館公使、ケルン日本文化会館館長を兼任。現在、中央大学名誉教授。専攻はドイツ古典主義文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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壱萬弐仟縁
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