出版社内容情報
1972年、沖縄が日本に返還された直後、アメリカ政府内ではその経緯や注意点などについて、各省庁の間で共有するための報告書をまとめていた。覚書など機密文書と関係者のインタビューをもとに交渉の過程を検証した、秘密指定報告書が暴く沖縄返還の真実。
内容説明
「歴史的記録というものは、往々にして何をまちがったのかを学ぶために研究される。今回、我々は、何がうまくいったのかを探るという異例の立場にいる」一九七二年、沖縄の日本返還直後、アメリカ政府内では、国務省、国防総省といった省庁間で交渉の経緯や注意点などを共有するための報告書をまとめていた。各種の国家機密文書や関係者の聞き取りにもとづき交渉の過程を検証した秘密指定報告書に、日本側の政治状況を踏まえた解説を加え、沖縄返還の真実に迫る。交渉当事者だったM・ハルペリン、R・フィンへのインタビューを付す。
目次
第1章 歴史的背景
第2章 ジョンソン政権下の沖縄問題
第3章 決定の年一九六九年
第4章 返還決定を振り返って
付録
著者等紹介
西山太吉[ニシヤマタキチ]
1931年生れ。毎日新聞社勤務中72年沖縄返還をめぐる密約取材で国家公務員法違反容疑で逮捕、78年最高裁で確定。2005年謝罪と損害賠償を国に求め提訴したが敗訴。08年外務省、財務省への情報公開請求に加わったが「不開示」処分。密約文書開示請求訴訟東京地裁で全面勝訴、東京高裁は原告の請求を棄却、14年最高裁で上告棄却
土江真樹子[ツチエマキコ]
テレビ朝日那覇支局を経て琉球朝日放送報道部記者。放送ウーマン賞2002。2006年からフリーディレクター。沖縄国際大学、法政研究所特別研究員。『告発―外務省機密漏洩事件から30年 今語られる真実』および『メディアの敗北―沖縄返還をめぐる密約と12日間の闘い』では民間放送連盟優秀賞、ギャラクシー奨励賞はじめ各種の賞を受賞
高嶺朝一[タカミネトモカズ]
ジャーナリスト。T&CT Office代表。1970年琉球新報社に入社。編集局長、論説委員長などを経て2008年~2010年琉球新報社社長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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