内容説明
農学を中心とした日本固有の技術の系譜を継承し、開国期前後の西欧科学の導入を経て、日本の「帝国」化の過程で構築されていった日本の科学技術の展開を、農学、医学・医療、衛生工学、などの「実学」を事例に紹介する。近代日本の形成に果たした実学の役割と、戦後におけるその断絶・継承を明らかにして、応用科学としての実学の今日的な課題に迫る。
目次
序章 実学としての科学技術
第1章 日本農学の源流・変容・再発見―心土不二の世界へ
第2章 農業技術を創った人たち―昭和の技術者群像
第3章 植民地経営と農業技術―台湾・南方・満洲
第4章 宮入貝の物語―日本住血吸虫病と近代日本の植民地医学
第5章 世界一の長寿社会を達成した近代日本の歩み
第6章 「帝国の衛生」―衛生工学から環境学へ
第7章 音に見る日本の近代―「音楽」の受容と「騒音」の排除
第8章 今西錦司とフィールド科学
著者等紹介
田中耕司[タナカコウジ]
京都大学地域研究統合情報センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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