出版社内容情報
力学の現実問題は,拘束された「有限自由度」の力学系を考えることである.数学から見れば,拘束系を多様体上での数学的性質として論じることになる.多様体の定義からはじめ,発散定理など物理の定理を多様体上で定式化する.
内容説明
ニュートン力学の現実問題は、いわば拘束系の「有限自由度の力学系」を扱うことになる。本書では、その有限自由度の力学系を「質量1の質点が高次元空間を運動する形式」により表現し、その性質を論じる。この表現では、ニュートンの運動方程式はリーマン多様体上の特別な形をもつ2階の常微分方程式として与えられる。多様体とは何かからはじまって、物理の基本方程式を多様体上で定式化する。
目次
1 リーマン多様体(多様体;接続とリーマン多様体)
2 拘束系(拘束系の運動方程式;剛体の自由運動―オイラーのコマ;リー群上の左不変計量に対する測地線の方程式)
3 微分形式(テンソル場;微分形式;外微分;ストークスの定理;特異コホモロジー群;グラフト抵抗回路)
著者等紹介
砂田利一[スナダトシカズ]
1948年生まれ。1972年東京工業大学理学部卒業。現在、明治大学理工学部数学教室教授。専門は、大域解析学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。