出版社内容情報
猫を語り手として,苦沙弥,迷亭ら太平の逸民たちに滑稽と諷刺を存分に演じさせ,語らせる,小説家漱石の出世作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ichi
35
【図書館本】『こころ』が面白く読めたので、とても有名なこの本に挑戦してみたのですが、文量の多さと難しい文章に読了に時間がかかってしまいました。ちょいちょい小ネタがあり、漫才みたいな会話、猫目線の文章表現など、ストーリー的には重みはないのですが、わからない比喩が多く、読書力がない私には読みこなすことができなかったです。結末は何で〜?でした。2017/02/14
きょちょ
28
改めて夏目漱石の慧眼の見事さに感心した。 物語自体は、途中だらだら過ぎて退屈なところもあるのだが、登場人物の哲学者に言わせる、「積極と消極」「西洋文明が入っての今後の将来の見通し」などは素晴らしい。 そしてそれらをわかっての、今=明治に生きる幸という言。 最期の猫の気持ちなどは、人生の折り返しをとうに過ぎた私にとっては、そんな気持ちで死ねればと「少し」思う。 松下幸之助が今のパナソニックを見たらと同じように、漱石が今の時代を見たら何て言うのか興味あるなぁ。 ★★★★ 2018/07/07
iggydog
3
やっぱ漱石は捻くれてんだなー。俺とは毛並みが違うけど。「こころ」の先生と主人公がダブって見える。時々すごい暗い。最後とか。猫は自分の鏡みたい。一歩引いた、隠れた裏の漱石みたいな。猫のこともよく知ってる。猫も多分好きだったんだろうな。上手い。2016/06/15
Ai
2
先生と仲間たちの脱線しまくりの掛け合いもおもしろいが、やはり猫くんの観察した人間たちの描写が一番おもしろい。 子どもたちの食事シーンや銭湯のシーンは笑える。2017/08/01
Fumiya
2
ワイド版を友達に借りて読了。 基本文章が難しいけど、でも所々ユーモアもあって笑えます。雑煮を食って「餅は魔物だ」は面白かった。名言だ(笑) それにしてもこんな結末だって、意外と知らなかった。何故か悲しく感じないのが不思議! 機会があればまた読むかも (その時は購入して)。2015/09/12