出版社内容情報
『本朝二十不孝』には,これ以上の親不幸者はいないと思われる男女20人が登場する.西鶴が仕掛けた精巧な仕掛け,テクストに埋め込まれた多様なトリックを追求し,西鶴の並はずれた短篇作家としての力量を引き出す.
内容説明
西鶴作の『本朝二十不孝』には、これ以上の親不孝者はいないと思われる男女二十人が次々と登場する。著者はこの作品の精巧な仕掛け、テクストの底に埋め込まれた多様なトリックを、挿絵や関連する絵をも読みに読んだうえで、『本朝孝子伝』を経、『二十四孝』を緯とするパロディと見る。こうして本作品の面白さと、西鶴の、並はずれた短篇作家としての力量を引出してみせる。
目次
揃たぞ二十四孝のこころ入
ふるき都を立出て雨
娘盛の散桜
大坂に後世願ひ屋
跡の剥たる〓入長持
善悪の二つ車
木陰の袖口
当社の案内申程おかし
親子五人仍書置如件