出版社内容情報
朝鮮や台湾から日本軍隊に徴兵された人たちが戦後,日本人のBC級戦犯として裁かれ,国交回復後は一方的に日本国籍を奪われ補償も失って放置されたままになっている.その証言は曖昧にされた戦争責任の所在を鋭くつく.
内容説明
日本人として戦争に動員され、戦後は国籍を理由に放置される朝鮮人元兵士たち。恨の声は曖昧化された戦争責任の所在を鋭く突く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
77
2017年19冊め。労働者として強制的徴用された人がいるとは教科書で知っても、日本軍の兵士として徴用された人々がいるということは、この手の本を意識して読むまで考えが及ばなかった。戦時中は日本軍兵士として扱われ、サンフランシスコ講和条約発効と同時に日本国籍が消失し、あらゆる恩給や援護の対象から外された彼ら。しかし一方で裁判では日本人戦犯として裁かれた矛盾。A級戦犯として処刑された戦争指導者は7人。その3倍超の植民地出身の刑死者の存在を、どう受け止めたらよいのだろう。2017/01/09