出版社内容情報
ナチを逃れパリを脱出する際,バタイユらに託された膨大な断片群.19世紀の思想・芸術・物質文化に目を凝らし,実現しなかった歴史の可能性をさぐる本書は,20世紀の危機と希望の証言であり,21世紀への知的遺産である.
内容説明
19世紀の産業の振興によってパリに次々につくられたパサージュは、ガラス屋根でおおわれ、両側に商店が立ち並ぶアーケード街である。19世紀半ば以降、オースマンによるパリ改造によってブールヴァールが通され、パサージュはすたれた。この19世紀の商品世界の遺物ともいえるパサージュや変貌したパリに残るさまざまな過去の痕跡から、ベンヤミンは独自の思考を書きつらねていく。
目次
概要―パリ―一九世紀の首都(ドイツ語草稿;フランス語草稿)
覚え書および資料(パサージュ、流行品店、流行品店店員;モード;太古のパリ、カタコンベ、取り壊し、パリの没落;オースマン式都市改造、バリケードの闘い;鉄骨建築;セーヌ河、最古のパリ)