出版社内容情報
ナチ支配体制＝政治文化の本格的な構造分析。特に政治言語と政治祭儀に新しい光を当て、民衆意識における〈ヒトラー神話〉の成立条件と政治的役割を解明。
内容説明
秘密警察報告をふくむ膨大な資料を踏まえた、ナチ支配体制＝政治文化の本格的な構造分析。とくに政治言語と政治祭儀に新しい光をあて、民衆意識における「ヒトラー神話」の成立条件と政治的役割を解明する。また、学校教育と政治教育をめぐるナチ教育政策の矛盾をはじめて摘出し、青年世代に特有なナチ意識の構造的特質を分析する。
目次
１ 「第三帝国」の政治構造（〈ナチ革命〉の政治過程；〈第三帝国〉の支配構造；侵略戦争への道；むすび―ナチ支配の政治的特質）
２ 政治的言語と政治的祭儀（政治と言語および祭儀；ナチ言語の政治的特質；ナチ祭儀の政治的特質；〈ヒトラー神話〉の精神構造）
３ 教育政策と政治教育（教育と政治；ナチ教育観と教育学；ナチ・ドイツの学校教育；ナチ青年組織の政治教育；青少年の意識構造）
付論 ドイツ・ファシズムの思想史的基礎―近代ドイツ精神の構造と機能
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
3
ナチスの政治構造や言語、祭儀さらには教育等の各分野から分析した一冊。個人的に面白かったのは支配構造と祭儀の部分。ナチスのあの大掛かりな式典が大衆にこのように作用していたとは思ってもみなかった。やはりこの政権の宣伝の部分は興味深い。2011/07/01
ひで
0
アドルフ・ヒトラーの使う演説レトリックを分かりやすくまとめた章は非常におもしろかった。ナチスが大規模に国民を動員した理由は彼の演説レトリックだけに要因を求めるのは間違いだろう。しかし彼の演説がかなりの影響を持ったのは確かだ。卒論の製作に大きく貢献した一冊。
