出版社内容情報
設計の現場で,著者はつねに言葉を探す.サハラの集落調査も日本中世の空間への沈潜も,意味への旅であった.現代をおおう均質空間にかわる,多次元・多層構造の空間に向けて発信されたテーゼ,「21世紀の建築は様相に向う」.
内容説明
建築の話はわかりにくいという好ましくない定評があるが、本書もまたこの定評をやぶることはできそうもない。勝手な言い分かもしれないが、できることなら、本書を建築の書と考えていただかない方がよい。それでは何について書いているのかと問われれば、その答も難しい。私としては、空間的体験についてのわずかばかりの考察をまとめたのではないかと考えている。
目次
均質空間論
〈部分と全体の論理〉についてのブリコラージュ
境界論
空間図式論
機能から様相へ
〈非ず非ず〉と日本の空間的伝統