内容説明
新しい研究によるエビデンスが津波のようにますます増えて押し寄せてきている状況の中で、それに真剣に対処しようとしている人にとって、研究の結果をレビューすることは不可欠なものとなってきた。本書の内容は、システマティック・レビューの紹介と説明、システマティック・レビューを行う者が直面するデータ収集における種々の問題、一次的なデータを量的に統合し、総合的な要約統計量(overall summary statistic)を産出するメタアナリシス、レビューを評価するためのガイドライン、コクラン共同計画(The Cochrane Collaboration)を構成する人々の国際的ネックワークによって、システマティック・レビューがどのようになされ、アップデートされ、その結果が広められるのかを述べている。本書の終わりに方法論に関する参考文献を掲げ、読書を進める助けとしている。レビューリサーチの科学をより深く研究しようとする人々の欲求を、これらの参考文献が満たしてくれることを編者たちは望んでいる。本書はこうした欲求を生み出す刺激となるようにと意図して書かれたものでもある。
目次
第1章 システマティックレビューを行う論拠
第2章 システマティック・レビューのいくつかの例
第3章 システマティック・レビューにおける関連論文の収集
第4章 ランダム化臨床試験からのデータの収集
第5章 メタアナリシスにおける異質性の原因はなぜ調査されなければならないか
第6章 メタアナリシスに関する問題
第7章 レビュー作成のためのチェックリスト
第8章 ヘルスケアの効果に関するシステマティック・レビューの報告・更新・修正
学術研究のレビュー学に関する文献
コクラン共同計画に関するさらなる情報
書籍、会議のプロシーディング、雑誌の特集号
著者等紹介
アルトマン,ダグラス[Altman,Douglas G.]
ロンドンの帝国ガン研究基金(Imperial Cancer Research Fund)の医学統計学研究室の主任である
チャーマーズ,イアイン[Chalmers,Ian]
1978年から国立周産期疫学ユニット(National Perinatal Epidemiology Unit)の所長を勤め、1992年にオックスフォードにある英国コクランセンターのセンター長に就任した。英国コクランセンターは、英国の国民保健サービス(National Health Service:NHS)の研究開発プログラム(Research and Development Programme)をサポートするため設立され、現在世界的にその数が増加しつつあるコクランセンターのひとつである。コクランセンターはコクラン共同計画(The Cochrane Collaboration)のコーディネーションを支えるものである。コクラン共同計画は、ヘルスケアの有効性に関する研究についてのシステマティック・レビューを、つくり(prepare)、手入れし(maintain)、ひろめる(disseminate)、個人の国際的なネットワークである
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感想・レビュー
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