岡山の地神様―五角形の大地の神

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岡山の地神様―五角形の大地の神

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  • サイズ A5判/ページ数 254p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784906577705
  • NDC分類 387
  • Cコード C0021

出版社内容情報

   はじめに    3

 五角柱地神碑のプロフィール    13
  呼び名    13
  分布    13
  刻まれた神々    15
  信仰    16
  祭日    16
  地神講    17
  建立の動機と時期    18

第一部 五角柱地神碑探検記 |なぜ探検記なのか|
 第1歩 これまでの五角柱地神碑情報 (その一)    23
 第2歩 これまでの五角柱地神碑情報 (その二)    24
 第3歩 これまでの五角柱地神碑情報 (その三)    26
 第4歩 これまでの五角柱地神碑情報 (その四)    27
 第5歩 地神碑出現期の時代背景    29
 第6歩 農村の荒廃    29
 第7歩 近代への序章 〔寛政期〕    31
 第8歩 出現初期の五角柱地神碑 (その一)    33
 第9歩 出現初期の五角柱地神碑 (その二)    36
 第10歩 藩営新田における五角柱地神碑の建立状況    39
 第11歩 五角柱地神碑の展開過程    40
 第12歩 歴史空間天保九年 (一八三八) と社日思想    47
 第13歩 天保期の農村    49
 第14歩 倉益の五角柱地神碑と藤原操南    50
 第15歩 地神碑建立を伴う精神br> 第28歩 法華経信仰の潮流    78
 第29歩 県中北部の五角柱地神碑    81
 第30歩 江戸終末期から明治へ    84
 第31歩 地神碑探検の途上で (その一)    87
 第32歩 地神碑探検の途上で (その二)    89
 第33歩 探検の最後に    90

第二部 各地域の五角形の地神
 邑久町及びその周辺    94
 瀬戸町及びその周辺    115
 岡山市内    128
  平井地区    129
  市街中心部    135
  藩営新田    141
  幸島新田    142
  倉田新田    148
  沖新田    156
 倉敷市    171
 矢掛町    185
 井原及び笠岡市    203

第三部 地神信仰の現実と幻影
  考察 (その1)    210
  考察 (その2)    212
  考察 (その3)    215
  結語    217
 資料1    220
 資料2 特徴的地神碑の分布概要    221
 資料3    223
 資料4    225
 五角柱地神碑分布図    232
   邑久町及びその周辺/瀬戸町及びその周辺/岡山市平井地区/岡山市街中心部/幸島新田
   倉田新田/沖新田/倉敷市/矢掛町/井

 はじめに 
 古代から大地は、 その豊饒性と生命力により、 母なるものとして信仰されてきました。 そして、 古来大地の懐に抱かれるように人間の営みは続けられてきましたが、 それにはその場所に宿ると言われている大地の霊的な存在、 すなわち地霊の承認と保護を必要としたのです。 そこで人々は季節の節目には収穫を感謝する祭りなどを厳重に行ってきました。 しかし、 地霊には両面があり、 人々に豊饒をもたらす反面、 地震や旱魃により人々を苦しめることもたびたびでした。 ともあれ、 大地は人間の生活全般にかかわるものとして極めて重要な要素であり、 それゆえに様々な信仰が生み出されてきたのです。
 時代は移り、 時は流れ、 人々が信仰の対象としてきた土地 (大地) は、 江戸時代の中期頃から、 ここ岡山の地に石碑の形の神 (ジジンさま) として社会的あるいは宗教的背景のもと忽然と出現してくるのです。 その石碑はおおよそ二つのタイプに分かれ、 一つは自然石に 「地神」 と刻したもの、 他は台石の上に神仏名などを刻した五角柱石を置いたものです。
 本書では、 後者にあたり、 県南一帯に分布する 「五角柱地神碑」 に的を絞ります。 執筆の過程で、 天保年間に沖新田内の大庄屋が建立事情を記は人間が生活するうえで重要な要素の一つである大地の大切さを認識するためのシンボル的な存在として、 今後とも地神碑を大切に守っていかなければならないと思っています。
 なお、 他県においてもジジンさまは 「地神塔」 などと宗教的意味合いの強い表現をされていますが、 私は先に述べたように、 この碑を将来にわたって大地の大切さを認識するためのモニュメントとすべきだと考えているため 「地神碑」 と称したいと思います。

内容説明

江戸後期、疲弊する農村復興と生産性向上を目的に精神運動が展開されていた?!五角柱「地神碑」建立の謎に迫る。

目次

第1部 五角柱地神碑探検記―なぜ探検記なのか(これまでの五角柱地神碑情報;地神碑出現期の時代背景;農村の荒廃;近代への序章(寛政期) ほか)
第2部 各地域の五角形の地神(邑久町及びその周辺;瀬戸町及びその周辺;岡山市内;藩営新田 ほか)
第3部 地神信仰の現実と幻影

著者等紹介

正富博行[マサトミヒロユキ]
昭和24年邑久郡邑久町に生まれる。昭和48年関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。天竜川水系をはじめとして各地において民俗調査を実施する。その間、これまでの日本社会を支えてきた多くのお年寄りに出会い、彼らのライフヒストリーに耳を傾け、それらを記録してきた
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