内容説明
競馬歴30年近い文壇の重鎮が全国数千万の競馬ファンに贈るドキュメンタリー・エッセイの第一弾。
目次
府中の欅 用賀の欅―一九八五年三月
中山の道
色 いろいろ
なま見えの楽しみ
夏の馬たち
負けてもおもしろ
遠くでセリを
雨の中山 芋の月
父たちのつどい
陽気な競馬ごよみ
年々歳々忙しく―一九八六年一月
馬の歳月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cell 44
3
一九八五年『優駿』連載。恥ずかしい話だが、「ウマ娘」という美少女ゲームでようやく競馬というものに心が傾くようになったので読めるようになった本だった。八五年、シンボリルドルフが駆けた時代だが、そんな時代にさえ遠く疎い私としては、馬を見る古井の眼だけでなく、この文章を読む当時の『優駿』読者の眼を想像して読む楽しみもあった。著者のエッセイの中でもすこぶる平易ながらも、パーソロン(ルドルフの父)を始めとして切実な敬意を馬たちに表していることが窺われる、筆が馬の背に導かれるような、堪らず追っているような文章だった。2021/04/02
kiji
1
作家さんだけあって味のある競馬エッセイ集でした。時代は30年くらい前ですが、競馬ファンの気持ちや、競馬への接し方は変わらないですね。競走馬の質や生産界の事情はかなり変わってしまいましたが2012/10/27