中国の生命の樹

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中国の生命の樹

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  • サイズ B5判/ページ数 414p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784905913634
  • NDC分類 387
  • Cコード C3020

出版社内容情報

中国諸地域文化がもつ多様性を豊富な図版とともに紹介しながら、数先年にわたって変わらない中国民衆文化の基底の生命感情と文化の流れを説き明かした「中国考古=民俗文化学」の百科事典的大著。収録図版1400余点、4色刷・2色刷図版多数。

【主な目次】
第1章 人類の植物崇拝と中国の生命の樹/第2章 中国の原始社会の植物神崇拝/第3章 河姆渡人の太陽・太陽鳥崇拝、通天華蓋崇拝、生命の樹崇拝、水盆植物崇拝/第4章 河姆渡人から大●口へ/第5章 民俗と民間芸術のなかの水盆〈水瓶〉生命の樹〈生命の花〉崇拝/第6章 河姆渡人、大●口から商・周の玉器、青銅器の饕餮生命の樹へ/第7章 饕餮生命の樹から民間の鹿頭花へ/第8章 半坡人の桑山華蓋/第9章 太陽華〈華〉―廟底溝の彩陶/第10章 甘粛、青海の高原地帯の太陽崇拝/第11章 新疆から河西廻廊にかけての太陽羊角と生命の樹崇拝/第12章 殷商時代の巨大な青銅の生命の樹/第13章 戦国、両漢の扶桑樹と后●射日/第14章 庶民文化の生命の樹/第15章 中華民族の原始宇宙観と中国建築/第16章 中国の民俗と民間芸術のなかの生命の樹崇拝の遺存/第17章 人類の生命の樹/第18章 人類の生命意識と生命の樹崇拝/用語解説(考古・民俗・神話)/中国古代遺跡地図・本書所載の主な中国地名一覧・中国新石器時代文化系統表ほか
 
著者は1928年、中国河北省生まれ。47-51年、国立北平芸術専科学校、中央美術学院に学ぶ。51年、中央美術学院を卒業し、同校で教務。61-73年、吉林省芸術学院美術系で教務。73-85年、陝西省延安地区群衆芸術館美術組長、文物管理委員会副主任。85-86年、中国美術家協会陝西分会副主席。86-93年、中央美術学院民間美術系、民間美術研究室で教務、同研究室主任。現在、同学院教授、民間美術研究室主任。中国民間截紙研究会会長。76-84年、秦始皇帝の「秦直道」の発見と、全行程1500kmの徒歩による調査をおこない、陝西省北西部の多数の仏教・道教の石窟を発見、それぞれ『秦直道』『延安石窟芸術』として発表。73-82年、延安地区の各県の農村に入り、文革中に伝承途絶に瀕した民間芸術と民間芸術家の調査をおこない、80年代の中国民間芸術運動を推進。中央美術学院では、民間芸術の教授と中国民間芸術体系の講義をおこない、同学院民間芸術系の成立をうながす。数度にわたってフランス各地で「中国民間截紙展」「中国民間芸術展」を開催、フランスより金十字賞を受ける。油彩画家としても高名である。

「この書物からまず伝わってくるのは、革命と近代化のなかで美を創造する画家として、また自国の文化遺産を愛惜し蒐集する美術家として、自らの家族の喪失と再生を賭けて到達した民間美術発見の経験が、ひとつの新しい方法論を訴えていることである。激しい近代化、都市化のなか、地域の共同体が保持し続けてきた截紙をはじめとする民間美術のもつ世界性が矮小化され、単なる地域的な懐かしい事物として愛好されるのみで、それ以上の解読可能性を拒んでしまうことに断固として異議を唱える。この理念のもとに氏は、截紙に表現される『植物』文様・図像が、小さな民衆の美術ではなく、先史中国の農耕社会の植物信仰と切り結ぶ造形の『考古性』をもつばかりか、その造形が交流をもった地中海・中東・北方ヨーロッパなどの植物表象を共有する『世界性』をもっていることを解き明かしていく。…かつて春を待つ農村の娘としてハサミを楽しげに遊ばせた老女の切り紙の、無数に揺れる青葉は、民衆美術を壮大な視野に導く『風』をはらんでいるといえよう。…革命と近代化の歴史を歩いた中国人であればこそ、革斤氏は、世界に普遍的な『生命(の樹)』論という表象に引き寄せられていったとも思えるのだ。」(鶴岡真弓/産経新聞1999.12.00)

「尋常ならざる書物があらわれた。それが偽らざる感想である。…中国の考古文物にあらわされた符号的な植物文様や生命樹図像を西アジア文化との関連で論じる研究は、1920年代のホルムベルク、40~50年代のカールグレンやカンマン、ソーパー、60年代のサリヴァンなど主に欧米の学者を中心におこなわれてきた。…しかし、近来めざましい考古学的新発見の蓄積により、それがまた可能な時期にきたことを本書は示している。中国の生命樹図像の流れをそうした考古学的成果によって緻密にあとづけ、世界の類例との比較をするだけではない。河姆渡文化に海路による西アジア文化の影響が想定できること…など、ダイナミックな仮説も随所に織り込まれていて、読むほどに議論は刺激的である。…ユングが提唱し、ケレーニイが神話解釈に乱用してケチがついたため、オーソドックスな学会では長くキワモノ的にみられてきた元型論ではあるが、著者は『符号学』という名称を冠し、生命樹図像を軸として、中国の古代から現代にいたるまでの諸図像を統合的に解釈しようと試みる。…潤沢に挿入された図版に導かれつつ通読されれば、中国学の新たな視野が切りひらかれたことを実感されると思う。」(杉原たく哉/『東方』 2000.3月号)

「本書のユニークな点は、こうした古代の遺物のなかにのみイメージを追ってゆくのではなく、そうしたイメージが民俗のなかにいまも豊かに息づいている事実を認めてゆく作業にある。…深い生命への意識が現代アジアに強く生きつづけていることの確認こそ、本書の根本的な願いではなかろうか。」(松枝到/図書新聞 1999.2.6号)

内容説明

数千年を超えて伝承されたたましいの造形の原姿!中国諸地域民衆の基層の生命感情とその文化の流れを、厖大な図像資料から説き明かす、中国考古=民俗文化学の大著。

目次

人類の植物崇拝と中国の生命の樹
中国の原始社会の植物神崇拝
河姆渡人の太陽・太陽鳥崇拝、通天華蓋崇拝、生命の樹崇拝、水盆植物崇拝
民俗と民間芸術のなかの水盆(水瓶)生命の樹〈生命の花〉崇拝
饕餮生命の樹から民間の鹿頭花へ
半坡人の桑山華蓋
太陽華(花)―廟底溝の彩陶
甘粛、青海の高原地帯の太陽崇拝〔ほか〕