内容説明
かたちを読み解く秘術公開。『UP』好評連載「かたち三昧」全63回に漱石論4本。高山フィギュラリズムの極北。
目次
フィギュラティヴ・サークル
フィグーラ・セルペンティナータ
エキセントリック・ガーデン
うねくった漱石
彼岸へと過ぎる蛇
十九歳、何てパンクなマニエラ
薔薇の庭の音の蛇
詩神の音連れ
百学連環1
百学連環2―グラン・メートル種村季弘(2004・8・29没)に〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
薄い中に高山宏のエッセンスを凝縮したような小著で、独自の高山レトリックによるところ大だがかなり読みごたえがある。円環、曲線といった「かたち」の問題から文化史的な大テーマを読み込む作風は健在で、「視線」が暴く「隠されたもの」を、さまざまなそれ自体奇妙な図を配置しながら僅か見開き2ページで解説、推測していくのはもはや円熟の筆致、当然その文章と思考のかたちもまた円環を意識しているに違いないと思ったら、やっぱり最後と最初で円の話に円満に落着するのでさすがだと感心した2014/04/30
ハチアカデミー
8
B+ フィギュアを巡る比較文化のあれやこれや。ただの直線は針となり、その先端が鋭利であれば武器になる。ただの丸は時間の、人間の生涯の喩えとなる。コンパスによって描かれた丸は性行為!? アナロジーによって図像を読み解くことで、目に映る全てのものはメッセージとなる。絵画、エッジングからチラシや書籍、紙幣に漫画、ただの落書きから文字そのものにいたるまで、高山眼鏡をかければこうも読み解けてしまうのかと、ただただ唖然としてしまう。観相学も医学も科学もごった混ぜに、文化の奥の深さに到達せんと目論んだ大冒険であった。2013/02/01
Mark.jr
2
高山ワールド入門編的な。2022/11/20
wanted-wombat
2
メインの63編のエッセイは見開き一頁で構成されているので非常に読みやすい。だが、内容は濃い。63編それぞれに各2つずつくらい図がついており、理解が深まるような気がする。と言うのも、最後の形だけの修了試験が散々で全然わからなかったからなのですが(笑)とりあえず、安定の読みたい本の増加です。付されていた漱石論も、漱石にさして興味が持てなかった自分の興味をかきたてるに申し分ない内容でした。2013/08/16
h
1
眼福な図版多数2019/02/24