内容説明
地球共生の時代に贈る!気鋭の植物学者が各地の森林の現状を分析し、その特性を踏まえながら日本の森のあるべき姿を問う。
目次
日本列島―多様な自然を育む国土
西表島の亜熱帯樹林―マングローブが織りなす自然
東北の森―ブナ林のふるさと
伊勢の照葉樹林―神域が守る自然
北海道の針葉樹林―タイガに続く最果ての自然
鎌倉を望む三浦半島の森―都市に残る自然
瀬戸内のマツ林―ヒトが生みだした自然
長崎の照葉樹林の変貌―ヒトと自然のせめぎ合い
京都を望む森の連なり―都人の自然の原点
四国の森―独特の自然を育む地
裏磐梯の森―亜高山の自然
熊野の森―日本の自然の原風景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
38
植物学者による旅行記。伊勢神宮、天橋立、五色沼、川湯温泉といった著名観光地も巡るが、眼に映るのは森林と樹と花。伊勢神宮は日本の基層文化を育んだ照葉樹林、天橋立は森の始原であるクロマツ林、五色沼は遷移途上の落葉樹林、川湯温泉は平地では珍しい針葉樹林という具合。その眼は真正ナチュラリストの眼であり、学ぶところが多い。何故ならその眼は時間軸が違うからだ。森の一生は千年単位だから、目の前の森を見て縄文人やゲルマン人や仏教に思いを馳せる。そういう眼が大好きになった。(ちなみに珍しくも登録第一号)2015/08/27