出版社内容情報
春台(一六八〇- 一七四七)信濃の人。博学多識、 特に経学に秀で徂徠学の経世済民の論を大いに発展させた。南郭 (一六八三- 一七五九) 春台と共に徂徠門の双璧と謳われ、 詩文和歌に長じ、 その名声は一世に風靡した。
田尻 祐一郎[タジリ ユウイチロウ]
著・文・その他
疋田 啓佑[ヒキタケイユウ]
著・文・その他
宇野 精一[ウノ セイイチ]
監修
目次
太宰春台(前半生;人間;徳川国家;後半生)
服部南郭(生い立ち;柳沢吉保侯に仕える;荻生徂徠の門に入る;柳沢吉保侯の死 ほか)
感想・レビュー
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きさらぎ
3
田尻氏は『江戸の思想史』の後書で「つい思想家に寄り添いすぎて、批判的に読む事が苦手」と自分を分析しているが、本書も賛美ではなく理解と共感に貫かれた人物論。この本にしろ『山崎闇斎の世界』にしろ、田尻氏の眼差しはとにかく温かく柔らかい。頑固で潔癖、妥協が出来ない春台は、仁斎の人物を尊敬しつつも学を批判し、徂徠の学を評価しつつも逐一反論し反駁する。そして徂徠に「狭中小量」と言われ傷つきもする。真面目で厳格すぎてとかく周囲と衝突しがちだった春台を温かく描く著者の文章が心地よい。春台の「風流」についての話は面白い。2015/09/18
tnk
0
春台の礼楽観は儒教の伝統的なものかと思っていたが、同じようなことを言いながら意味づけが変わっているようだ。2018/07/18