内容説明
「平和な海」への願い。戦没船員6万1000人余の叫び。応募130編の中から42編を収録。18年前の手記の復刻版。
目次
第1章 緒戦の海―昭和16年~17年・開戦当時の海上輸送
第2章 制海権なき帝国シーレーン―昭和18年・南方海域、昭和19年・北洋方面
第3章 戦火の海の標的となって―昭和16年~20年・反復被災を生きのびた船員たち
第4章 特攻船団の潰滅―昭和19年~20年・断末魔の海上補給路で
第5章 受難の傷あと―昭和20年~敗戦・痛恨の記憶を胸に
第6章 残された者の戦記―遺族の思いはいまも海に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こまったまこ
8
職業軍人ではない、民間商船の乗組員の方たちの手記。主に輸送船として徴用され、護衛艦もほとんどないまま裸で任務に付き、その大多数が無惨に撃沈されている。その実情が表に出ることも少なく、無念な思いを晴らすためと死んでいった仲間の鎮魂のための体験記集である。「船員が軍国主義下での非人間的、消耗品なみの扱いを受けた屈辱は忘れることができない」という一文に衝撃を受けた。読んでつらい話が多かった。2015/07/23
ターレットファイターP.92提督
0
太平洋戦争で徴用された船(機帆船や漁船も含む)の船員や関係者、遺族の手記集。当時の雰囲気や、あまり触れられることのなかった輸送船団の日常などが垣間見ることが出来る。2015/01/19