内容説明
どんなにリサイクルを推進しても、輸入される資源量が減らない限りゴミ問題は解決しません。一方で、今なおダムや原子力発電のような、大規模に環境破壊を招く開発が、需要の伸びを越えて推進されています。今の開発や金融・貿易メカニズムが、飽くなき利益追求のために必要とされているのなら、その社会システム自体を変えない限り、いくら「地球にやさしい」行動をしても無意味です。本書は、地域に金融・エネルギー・政治権力を取り戻すことで、地球の上に、持続的に暮らせる地域社会を作れることを示し、そのための利益中心でない市民主体の社会作りを提案しています。
目次
第1章 滅亡の兆候(地球温暖化による滅亡;感染症による滅亡 ほか)
第2章 自動破壊システム(リサイクルシステムを崩壊させるリサイクルの推進;虚構の開発 ほか)
第3章 誰のための世界か?(貿易という名の「破滅競争」;貿易の受益者と責任主体 ほか)
第4章 誰が地球を守れるのか(人々を追い詰める環境保護;誰がその価値をはかるのか ほか)
第5章 分散型社会に向けて(金融の地域分散;エネルギーの地域分散 ほか)
著者等紹介
田中優[タナカユウ]
1957年東京生まれ。法政大学法学部卒業。地方公務員として普通に暮らす一方、NGOで活動中。地域でのゴミ問題を解決しようとして、地球規模の問題意識に目覚める。地元の「グループKIKI」で、リサイクル・熱帯林・PKO・地球温暖化などについて、それぞれブックレットを執筆・作成。難しい問題を分かりやすく伝えることに努力している。日本国際ボランティアセンター理事、未来バンク事業組合理事長、自然エネルギー推進市民フォーラム理事、揚水発電問題全国ネットワーク共同代表、足元から地球温暖化を考える市民ネット(足温ネット)・えどがわ理事
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