内容説明
不可思議な現象が、奇蹟かトリックかを鑑定する、奇蹟鑑定人、魚間岳士のもとへ、瀬戸内海の鹿羽島というところから依頼がきた。島にある山の中で、木から鹿の首が生えていたのだという。早速、フリーの鑑定人、天倉真喜郎をひきつれて、鹿羽島へ向ったのだが…。前作『赤き死の炎馬』に続く、奇蹟鑑定人ファイル第二弾、渾身の書き下ろしで登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
87
霞氏の持ち味であるバカミステイストが横溢した喜劇色の濃い作風だが、たった220ページながらこの物語のために盛り込まれたガジェットの数はかなり多く、しかもそれらを過不足なく配置し、ドミノ倒しのように全てが謎解きに寄与して大団円を迎えるのだから霞氏の本格ミステリの技量は実に高く、奇想に満ちている。バカミスの匠として知られている霞氏は純粋な本格ミステリ作家としても有栖川氏や綾辻氏らビッグネームとは全く引けを取らない、いや寧ろこれだけ拡げた謎を簡潔に収まるべきところに収める実力はもっと評価されていいのではないか。2023/07/05
雪紫
20
再読。やはり馬の後にはこれ。「日本のどこかにはエネルギーを必要としている場所が幾つもあるだろうに。間違っている、こいつらは。」作中に出て来る変人アーティスト達に対するこの心境ですが霞さん。変人どもに奇怪な遺体、美味しそうな食べ物描写に(前作に引き続きゆゆゆ民の反応確実な西日本のうどん推し)しっかりなロジックとバカトリック。そしてこの本のメインとばかりに、馬と鹿を掛け合わせた生物ーーその名も「馬鹿」なんてのを出す発想含めて盛大なブーメランですよ(超褒め言葉)。「馬鹿」を巡る追記もお後がよろしいようで。2019/10/04
二分五厘
0
1999.12.29
kanamori
0
☆☆2012/10/11
ちぶる
0
裏四十七士の財宝て2011/02/13