「葬式ごっこ」―八年後の証言

電子版価格
¥1,408
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

「葬式ごっこ」―八年後の証言

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784894240339
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0036

内容説明

サザンオールスターズが大好きだった鹿川裕史君の霊前には、桑田佳祐からの花束があった。あれから八年。残された人間たちは親も友人も教師たちも、それぞれの立場でそれぞれに鹿川君が死を賭して訴えた痛みを背負ってきた。判決確定。それぞれの八年を再現する。忘れてはならない「葬式ごっこ」。

目次

1 いじめ解明への原点
2 みんな遊びだと思っていた―同級生十人の証言
3 いじめを生む土壌

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

e r i .

9
教室で葬式ごっこが行われ色紙には先生の署名まであったという鹿川君いじめ事件。家から亡くなる場所までの当日の足取りがカラー写真で展開されていてきつかった。中学二年生がどんな気持ちでここを歩いたのか…そう考えると涙が出てしまう。当時同級生だった子たちの証言ではいじめという認識はあまりなかったのか?。先生を庇う発言もあり遺書まで残した鹿川くんと温度差を感じてもやっとする。(図書館)2015/03/11

kikukids

3
1986年、中野区の中学生がいじめを苦に自殺をした。そのいじめの中にはクラスメイトや教員が別れの色紙を書いた「葬式ごっこ」も含まれていた。東京高裁はその8年間かけて、損害賠償請求を認めたが、明らかになったのは「自殺があった」という事実認定だけであった。 新聞記者である筆者は、なぜいじめが起きたかを追求すべく、大学4年生となったクラスメイトたちの話を聞き、その手記をまとめたのが本書だ。 いまから25年前の話だが、いじめの本質は基本的には変わっていないと感じた。いじめは誰もが加害者であり被害者となるのだ。2012/05/07

鈴木律

2
順番が逆になったけど、『いじめはなぜ防げないのか 「葬式ごっこ」から二十一年』の13年前に書かれた本。事件が起きてすぐと8年後、21年後に、その事件を目の当たりにした人たちに話を聞いて残すというのは、大事なことだと思う。この8年後に証言した同級生10人の中でも、鹿川くんといじめた側とされるグループとの関係性について、いろいろな見方があることに注目したい。遺書に名前のあったAくんが、事件が起こった後に、なぐさめようもなく落ち込んでいたという証言にもハッとする。2019/08/22

Akio Kudo

2
★★★★★ 今では出来ないようなクラスメイトの生の声や自殺現場の写真を集めている。しかもいじめ加害者を断罪すること無く、教員も断罪すること無く、何が原因だったのかを丁寧に考えさせている。2017/11/19

いたち野郎

1
8年後とはいえ、クラスメートら10人から証言を得たという貴重な記録。一見、彼らは冷めた回想をしているように思えるが、反省をしていないわけではなかったことも伺えるだけに煮えきらなさが残る。これは、教室でのいじめというのは4層の構造により成り立つ、というのは近年の社会学の本でも書かれているが、囃し立てたり傍観したりする集団にはいじめに(ある意味で)加わっていたという意識が希薄になる。それは彼らだけの特別な体験ではない。自分の学級にも思い当たる節がいくつもある、という記憶の掘り起こしができた。2021/08/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/117378
  • ご注意事項