内容説明
原爆により、長崎三菱工場の六千名以上、広島市女の女生徒七百名近くが、一瞬のうちに命を落とした。その生死を分けたのはある偶然であったにせよ、生き残った者にとっても、この世は煉獄であった―死者への思いと行き場のない憤怒が、終りなき鎮魂の旅へ駆り立てる。本書は、名もなき被爆者二人の記録である。
目次
ナガサキの絆―人間の論理
(突然の訪問;「あの日」のこと―八月九日;四十九歳の決意;六千人の名簿 ほか)
ヒロシマの絆―父から子へ(人生の林にわけ入りし;父の夢;ゆりかごを動かす手;「あの日」のこと―八月六日 ほか)