出版社内容情報
知里真志保の姉であり、寄寓先の金田一京助宅で十九歳の生涯を閉じたアイヌの閨秀・知里幸恵。世界が先住民族の人権に注目する現在、「私はどこまでもアイヌだ」という真摯な魂が甦る。
1 アイヌ神謡集
アイヌの少女/梟の神の自ら歌つた謡
2 まわりの人びと
バチラー・八重子の印象/松葉杖のマリヤ/二人姉妹
3 グスベリのころ
両親の出合い/旧土人保護法/其の昔此の広い北海道は……
4 笹竹の子の季節
近文というところ/一枚の写真/笹竹の子
5 かすりの着物
コケコッコ花/子供の熊まつり
6 消えていく笑い
区立女子職業学校/一人静か/おもて向きでない顔
7 アイヌの世界
描の子のいる風景/ユーカラを求めて
8 「近文の一夜」
入れ墨/Ponno mokor mokor
9 月日の小車めぐりめぐりて
ツゲの木、50年/三代の歴史の中に/母校、おでん、サラダ、蘇軾の詩
10 『ウタリグス』
クジャク神が自ら歌った謡/Pon Okikirmui/ペナンペとパナンペ/近文便り
11 おだまきの花
おだまきの花/愛するアイヌよ
12 銀のしずく 降る降る まわりに
蘆丸の曲/つくしんぼの歌/銀のしずく 金のしずく
13 知里幸恵 その後
4半世紀の研究結実
アイヌ民族の研究者で知られる藤本英夫さんが、民族に伝えられる叙事詩・ユーカラを初めて日本語訳した「アイヌ神謡集」を残し19歳でこの世を去った知里幸恵さん(1903~1922)の“人と世界”をつづった、「銀のしずく降る降るまわりに」を出版した。「少数民族のすぐれた文化を記録した幸恵さんの仕事は、全国レベルで語られつつある」と話す藤本さんは、昨年、北門中学校(市内錦町15)に完成した知里幸恵文学碑建立の呼び掛け人の一人。言語学の分野で先駆的役割を果たした旭川ゆかりの少女の実像を、4半世紀の調査研究で結実させたノンフィクション、大きな反響を呼びそうだ。
出版された「銀のしずく降る降るまわりに」は、1973年(昭和48年)刊行の「銀のしずく降る降る」(新潮社)を、新たに見つかった手紙・資料や証言をもとに大幅に加筆訂正、昨年6月8日、幸恵の87回目の誕生日に除幕された文学碑にまつわるエピソードを最終章に加えた。神謡集の一部を収録している。
考古学が専門だった藤本さんは、幸恵の6歳違いの弟、「アイヌ語入門」「分類アイヌ語辞典」の著者で知られる文学博士知里真志保(1909~1961)の足跡をたどる新聞
感想・レビュー
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てん
柳田
くまこ
ぼちぼちいこか
藤原博文