内容説明
日本型経済社会は、(1)間接金融方式、(2)護送船団方式、(3)日本的労使慣行に集約されるのが一般的だが、それを官僚主導によって維持してきたところに特色がある。その限界を急速に露呈したのが、右肩上がりの経済が崩壊した住専問題であった。国際化・情報化・高齢化の中で、その未知の変化に対応しきれない官僚主導型経済の自信喪失は、いまや行政改革の大きな声の中に、包摂されている。まさにそれは、民主主義政治の中で、いかにして政治改革をなし得るのか、そのために市場経済はどこまで答えを用意できるのかは、「公共選択論」の中心課題となってきた。その意味で、アメリカそしてヨーロッパ、アジアの各地域の公共選択論的分析は喫急の課題となってきた。
目次
第1部 公共選択総論(公共選択学派の登場;公共選択とはなにか;なぜ囚人のディレンマが起きるか ほか)
第2部 公共選択各論(政治家、有権者そして選挙;官僚は“召し使い”にならない;地方自治の公共選択 ほか)
第3部 今後の展望(公共選択と制度改革;公共選択論の新課題と発展)