出版社内容情報
ミステリーの元祖エドガー・アラン・ポー(1809~1849)は、夏目漱石、森鴎外、谷崎潤一郎、平塚らいてう、江戸川乱歩、小林秀雄ら日本の作家・知識人に多大な影響を与えた。その影響の驚くべき内容を克明に辿った貴重な受容史!ポーの「モルグ街の殺人事件」によってミステリー小説は始まるといわれ、「黄金虫」、「黒猫」、「盗まれた手紙」、「アッシャー家の崩壊」と、この分野の原型となる作品を彼はほとんど書き上げている。また「大鴉」よって現代詩に多大な影響を与えた詩人としても世界的に有名である。明治20年の『黒猫』の初の翻訳から最近作の『マラルメの「大鴉」が生まれるまで』の翻訳書、研究書などを踏査した初の受容史。他に「世界文学におけるポー」、ポーの足跡を訪ねた「ポー紀行」、110頁にわたる詳細な書誌を付す。
内容説明
ミステリーの元祖、エドガー・アラン・ポーの日本への移入の実態と文壇・知識人への影響を、明治期から現在までの翻訳書、研究書を踏査して明かす初の受容史!詳細な書誌付き。
目次
序 日本におけるポー研究史
第1部 ポーと日本の出会い
第2部 ポー作品の翻訳史
第3部 ポー批評および研究史
第4部 文学者に及ぼしたポーの影響
第5部 世界文学におけるポー
第6部 ポー紀行
第7部 エドガー・アラン・ポー書誌