内容説明
賢治が夜空を見あげたであろう場所に立ち、同じ季節、同じ時刻の星空を精確に再現。詩に描かれた星の秘密、童話に登場する星たちの正体など、賢治と星をめぐるエピソードを網羅した画期的写真文集。
目次
1 星めぐりの歌(双子の星;雁の童子(すばる) ほか)
2 銀河鉄道を行く(午后の授業;アルビレオ観測所 ほか)
3 岩手山の夜(岩手山;柳沢峠の夜 ほか)
4 賢治の見た星空(賢治の星座早見;雨ニモマケズ ほか)
5 賢治のあこがれた星空(オリオン星座がのぼるまで;銀河鉄道の全線 ほか)
著者等紹介
藤井旭[フジイアキラ]
1941年山口市生まれ。多摩美術大学でデザインを学ぶ。学生時代から星に熱中。卒業後、福島県郡山市に居を移し、アポロ宇宙飛行士たちが月面着陸した1969年、星の仲間たちと白河天体観測所をつくり、愛犬チロが所長に任命される。以後、チロを主人公とした星のシリーズは、小学生から老年に至るまで幅広く天文ファンを魅了。95年には、南十字星など南半球の星の観測のためにオーストラリアの星の仲間たちと共同プロジェクトでチロ天文台を設立。その名は海外でも知られる、天体写真の第一人者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かりさ
82
生まれ育った東京の夜空、子供の瞳には充分に星々が瞬き、幾万光年の輝きが今こうして私の瞳に映っている…なんて星や月を眺めてロマンチックに思いを馳せたものでした。夏休み家族旅行で山深い宿に泊まり、街灯や家の明かりの届かない深い夜の闇の中の星空が東京の夜空よりも無数に隙間なく広がり、降るように瞬く星たちに息を呑み感動した記憶があります。現住の群馬の山あいもやはり星降る夜空です。宮沢賢治が数々の作品に残した天体の描写は、少女の頃の私の心に深く刻まれ今でも星の欠片のように煌めき輝いている大切な言葉たちです。続く→2017/06/03
はちてん
41
賢治が見た夜空。正確には見たであろう夜空、天体、銀河、流星、そして森、山、里。胸騒ぎを覚えるぐらい美しくて哀しくて、永遠に思えることも終わりはくる。東京の夜空では絶望的に拝めない。今輝いている星も実は消滅してしまっているかも。それでいい。岩手の夜空の写真と賢治作品のコラボ、天体の豆知識。2015/10/24
らん
26
宮沢賢治没後90年を迎えた日に、こんなに賢治愛に溢れた作品が読めた事が嬉しい。賢治が詩で詠み、見上げたであろう星空を撮影した写真を眺めながら私も賢治が見上げたであろう星空に思いを馳せました。賢治愛溢れた作品への考察やエピソードも楽しい。作者が「ああ、これこそ銀河鉄道の全線の眺め…」と語るアウトバックの砂漠の星空の写真がまさに…!宮沢賢治と命名された星(小惑星5008)がある事が素敵!"銀河鉄道の環状線"構想や"冬の銀河鉄道の夜"等に思いを巡らせた話も楽しかった。宮沢賢治記念館もいつか訪れてみたいなぁ。2023/09/21
けんとまん1007
24
賢治が見た空。今と全く同じではないかもしれない。いや、それ以上に、賢治の眼との違いがあるだろう。それでも、空を見上げることは、とても素晴らしいことへの入り口だと思う。天体が持つ不思議なエネルギー、空の大きさ、これだけでも十分だ。が、そこに、空気、音、匂いなどが何重にも重なることで、奥行が増す。それにしても、夜空の持つ、この不思議な魅力はいったい何だろう。2015/11/01
鯖
15
銀河鉄道の旅に添って撮られた美しい星空の写真集。堪能しました。2015/01/03
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