マイトレイ

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マイトレイ

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878933240
  • NDC分類 979.1
  • Cコード C0097

内容説明

私があれほど夢み、そして愛したインドは決定的に閉ざされた。生涯の師の逆鱗に触れたインドでの恋愛スキャンダルを赤裸々に綴った若きエリアーデの「悦楽の神話」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

123
主人公のアランは、インドで出会った10代の娘マイトレイに恋をする。西洋人のアランにとって、東洋人のマイトレイは謎を秘め、意思の疎通が難しく、アランはこの美少女に翻弄される。瑞々しく、美しい恋愛小説。甘美なエロティシズムが感じられて、読んでいると陶然とした心地になる。マイトレイは一人の人間というより、神話が息づいているインドの大地の化身であり、アランの存在自体が彼女が体現しているものに、飲みこまれてしまうのだ。この物語の結末は、あまりにも切なくて、悲しい。宗教学者でもある作者の青春の書。2016/09/13

長谷川透

17
西洋人の青年とインド人の少女の恋を描いた青春小説。二人を遮る障壁の数々は、西洋と東洋の差異、立場の問題、宗教上の理由(主人公はヒンドゥーへの改宗を図る)など、二項対立の形で若い二人を襲うが、もっと根本的に、もっと深いところで、この二人はどこか通じ合っていないように思う。これこそ若さ故なのか、刹那の裡の恍惚を契機に突き進むだけ進む。だからこそ不完全のままに失った愛する者への想いは根深く残るのだろう。愛する二人が持つ背景は非常に小説的ではあるが、彼らが見せる若さゆえの脆さは誰もが経験し得る普遍的なものである。2013/12/30

せみ

5
エリアーデの若き日のインドでの体験を基にした自伝的恋愛小説。彼はこの作品で一躍人気作家になりました。白人/インド人、キリスト教/ヒンドゥー教、文明/野蛮の対立軸は残しつつも、その中で立ち現れてくるのは誰にとっても破滅的な愛です。フィクション部分もありますが自伝・告白的性格が濃厚です。彼の『回想』と対応させて読むのも面白いのではないでしょうか。ちなみにヒロインのマイトレイは破局の40年後になって彼女の側から描いた作品を書き、エリアーデとも再会しましたが、この交錯はとても美しいとしか言えません。2011/10/19

原玉幸子

3
実在した著名なインド人女性(又インド!)と恋に落ちた白人男性が主人公の恋愛小説(現代ルーマニア作家の著者曰く、告白小説)。男女間の、人種、国家、宗教、性愛等の「壁」を越える越えれない、越えた越えていないとやきもきする主人公の心の葛藤は、正しく男性が切り取る恋愛の世界で、時空を超えた普遍性を感じます。展開自体に嘆息せずとも、「情熱」と表現出来るその全ては、矢張り何物にも代え難いです。(◎2018年・春)2020/03/06

xin

3
エリアーデの自伝的恋愛小説。2013/02/01

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