妖精たちの夜〈2〉

妖精たちの夜〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 441p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878932694
  • NDC分類 979.1
  • Cコード C0097

内容説明

激動する時代の波に翻弄されながらも時間と歴史の桎梏から逃れようと苦悶する人間たち!エリアーデ文学の最高傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベイス

62
ストーリーもさることながら、作者エリアーデの博識・哲学的考察の深さに魅了された。時空が歪む、登場人物が思いもよらぬ役割を唐突に演じ唐突に死ぬ。どこか春樹ワールドにも似た世界観。エリアーデはノーベル賞候補にもなった宗教学者。反ユダヤ親ナチ組織レジオナールに共鳴したとの説もあるが、それは事実と反することが巻末の解説に詳細に記されている。ルーマニアという特殊な位置から大戦前後をみると、こうも歴史は違って見えるのか。連合国でも枢軸国でも親ソでもないこの国の複雑極まる事情が、エリアーデという巨人を産み落としたのか。2023/02/27

帽子を編みます

14
【第158回海外作品読書会】読書会イベント初参加にこの本を選びました。この巻は、怒涛の出来事が続きます。大勢の人が死に、脇役だった人が大活躍します。上巻の霧がかかったようにぼんやりした会話を、「そうだったのか」と納得させてしまう、驚くべき力業です。遠い国、ルーマニアの情勢にも翻弄されます。解説が、とても詳しくルーマニアの立ち位置、政治体制の混乱なども語られています。時間がある方は是非一通り読む作品理解の助けになるでしょう。2020/06/16

帽子を編みます

13
本棚用に感想を書きます。この巻は上巻を我慢して読んだ者へのご褒美。味わうように読みました。上巻の脇役たちの活躍にも驚きます。作中でも触れられるように、ニーベルング、プルースト、トリスタンとイゾルデ、などのエピソードが連想されます。作者は、最初に全てが浮かんだとのことですが、破綻なく仕上げたその力量に驚きます。でも、物語が降ってくるのでもなければ、この作品はできないとも思います。最後のパートですれ違う二人の恋が、定めの激しさが、地上ではかなわなかった。妖精の夜に12年のときが収束し物語は終わります。2020/06/16

sibafu

4
ある森で出合った男女の神秘的な(妄想的とも言える)話から始まり、12年後の同じ場所、同じ男女の会話によって物語は終わる。しかし、その間に挟まっているのは戦争、亡命、政治、反政府運動、スパイ疑惑、拷問などのエリアーデの経験を利用した自伝的な話だ。ストーリーにまとまりがなく、語り手がいつの間にか代わり名前が覚えられず、いつの間にか何人も登場人物が死んでいる、という書かれていることを把握するのが大変で読むのにも苦労する小説だった。でも、神秘性と現実性のどちらにも魅力がありその二面性がまた意外で類い稀な小説だ。2014/09/05

takao

2
ふむ2024/04/16

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