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文芸時評という感想

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784877460976
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

第5回小林秀雄賞受賞。

内容説明

批判精神がきらめく、文芸時評を集大成。「文学は実学である」「環境文学の一面」「アフガニスタン文学を知りたい」など、論議を呼んだ、比類なき感想。「産経新聞」連載全149編を収録。

目次

形式と言葉
感想という世界
議論の環境
作品の時間
郷里の香り
フィクションの地勢
反時代の風景
理想の世界
複数の出会い
現実と表現
文学という実学
視野をもとめて
これからの光

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

35
1992年から2004年までの産経新聞の連載をまとめたもの。やはり書評はこれから読みたくなるような新しい本を対象としているものが面白く、旧いものは楽しめません。記事と同じく書評も「ニュース」なんだなあと実感。斜め読みでしたが、取り上げられている本が知らない本ばかりという点もイマイチでした。小林秀雄賞。2016/07/14

踊る猫

31
良かれ悪しかれマットーな「文芸時評」。高橋源一郎のように奇を衒ったところはなく、渡部・絓のようにコアに理詰めで分析を重ねていくのではなく、「感想」でしかないと断りつつも「ことば」の強度に信頼を置く著者の分析は侮れない。個人的には平野啓一郎も綿矢りさ・金原ひとみもスルーで来てしまったので、懐かしいなと思いながら読まされた。理屈で小説を作る著者(保坂和志・阿部和重)を嫌い、本能で言葉を紡ぐ著者(町田康)を評価する。それは古臭い/アナクロとも言えるし、良心的であるとも言える。島田雅彦の名が登場しないのはご愛嬌か2019/01/19

三柴ゆよし

12
五日ほどかけて、ゆっくり読んだ。詩人の、生きた言葉に触れた。ゆるやかで、決してぶれることがない。素敵な文章だ。読む前と後では、文章に対する見方が変わった。荒川氏は、文学は「実学」であると述べる。この考えに、僕は全面的には賛成できない。けれども一方、読んだ後では世界がすこし違って見える、そんなふうなものが文学なのかな、とも思う。つまり、荒川氏の言葉は僕にとって文学だったということだ。恥ずかしながら、この人がどういう詩を書く人なのか、僕は全然知らない。詩作にも是非触れてみたい。2009/07/21

袖崎いたる

5
言葉に厳しい。文章に厳しい。……厳しい尽くしのなかで安定して持ち上げられるのは太宰治、田村隆一、三島由紀夫、吉本隆明、村上春樹。思考というより殆ど感覚生理で語っているのはスゴいがしかし、その分共感するのが厄介な感想もチラホラ。2021/03/13

袖崎いたる

4
荒川洋治、詩人として知っていた人。これはその文芸時評。感想という言葉もあるように、批評にはなれていないだけとの速度でもって書かれた印象録。まさに感想である。12年間も続けた連載のまとめらしく、小林秀雄賞もがんばったで賞で獲れもするんじゃないかとさえ忖度。内容は、まぁ、時評というだけあってじっくり推敲してたんじゃ書かないタイプの文章が見つかる。悪口ではなく、小林秀雄的な意味で「感想」なのだ。村上春樹推しらしく、保坂和志disっていうことはわかった(笑) あとは田村隆一と吉本隆明リスペクトの調子がある。2021/01/24

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