内容説明
文学研究の現在をひらく。言説分析の可能性を探る異議申し立ての物語学。
目次
第1部 源氏物語の言説分析(“語り”と“言説”―“垣間見”の文学史あるいは混沌を増殖する言説分析の可能性;光源氏という実存―桐壺・帚木巻をめぐってあるいは序章・他者と“犯し”;呪われた実存―帚木・空蝉巻における光源氏あるいは企図しない/する時間;誤読と隠蔽の構図―夕顔巻における光源氏あるいは文脈という射程距離と重層的意味決定;言説分析への架橋―語り手の実体化と草子地あるいは澪標巻の明石君の一人称的言説をめぐって ほか)
第2部 源氏物語の認識論的分析(類似・源氏物語の認識論的断絶―贈答歌と長恨歌あるいは方法としての「形代/ゆかり」)