内容説明
アリストテレスを論じることを禁止した教会に西欧13世紀の「哲学」はいかに対抗したか―神学との角逐の中に、哲学とはなにかを問う。
目次
序章 水とワイン
第1章 一二七七年の禁令の問題
第2章 急進的アリストテレス主義の哲学
第3章 ボナヴェントゥラと哲学
第4章 アクィナスと哲学
第5章 哲学としての神学
著者等紹介
川添信介[カワゾエシンスケ]
京都大学大学院文学研究科教授。1955年佐賀県唐津市生まれ。1983年京都大学大学院文学研究科博士後期課程(哲学専攻)単位修得退学。1985年大阪市立大学文学部哲学科助手、講師。助教授を経て、1990年京都大学文学部助教授、1996年より、現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
左手爆弾
2
13世紀における哲学と神学の緊張関係を問う研究書。果たして神学は学問か、哲学は信仰と調和するのか。急進的アリストテレス主義や二重真理説は異端として厳しく断罪され、過激な合理主義との見方をされる。トマスやボエティウスは依拠するものが異なるがどちらも学問であるという方向で解釈する。ただしこれらは二重真理説ではない。哲学固有の探究は、かえって神学と信仰を助けるものとなる。ボナヴェントゥラの立場こそが「哲学は神学の侍女」という言葉に近い。哲学はそれ自体では欠陥を抱かざるをえず、信仰に近づく神学に従属すべきである。2015/10/12
陽香
0
200502152013/04/11