出版社内容情報
量子力学を応用するという立場からは、行列力学よりもシュレーディンガーによって提唱された波動力学の方がはるかに便利かつ簡単であるため、行列力学を取り上げる教科書はほとんど無くなってしまった。
ただし、行列力学で培われた概念なくして、量子力学を深く理解することは困難である。また、行列を学習することは、初学者にとってもっとも重要な量子力学がいかにして生まれたかを理解するうえで重要となる。
本書では、行列力学がどのような概念のもとに形成されていったかを振り返る。
量子力学は確かに難解な学問であるが、まったく手に負えない代物では決してない。そのえられた成果の皮相的な面だけではなく、それが建設される過程と背景を知れば、より身近なものとなろう。
はじめに
第1章 オイラーの公式
第2章 光の二面性
第3章 原子の構造と電子軌道
第4章 電子の運動
第5章 対応原理
第6章 ハイゼンベルクの量子暗号
第7章 行列りきがくの誕生
第8章 固有値問題
第10章 物理量に対応した行列
第11章 行列力学とベクトル
第12章 シュレーディンガー方程式
第13章 波動関数と状態ベクトル
第14章 調和振動子
補遺
第12章 波動関数と状態
目次
オイラーの公式
光の二面性
原子の構造と電子軌道
電子の運動―古典論からのアプローチ
対応原理―古典論から量子論へ
ハイゼンベルクの量子暗号
行列力学の誕生
行列力学の建設
固有値問題
物理量に対応した行列
行列力学とベクトル
シュレディンガー方程式
波動関数と状態ベクトル
調和振動子
著者等紹介
村上雅人[ムラカミマサト]
1955年、岩手県盛岡市生まれ。東京大学工学部金属材料学科卒、同大学工学系大学院博士課程修了。工学博士。超電導工学研究所第一および第三研究部長を経て、2003年4月から芝浦工業大学教授。東京海洋大学客員教授。超電導工学研究所特別研究員。1972年米国カリフォルニア州数学コンテスト準グランプリ、日経BP技術賞、World Congress Superconductivity Award of Excellence、岩手日報文化賞ほか多くの賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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