内容説明
これまで、基礎論は数学の傍流で、ほとんど生産性のない、哲学的テーマとして捉えられがちであった。しかし今日、この分野から具体的な大きな成果が上がるようになり、またコンピュータ科学の発展と相俟って、数学全般を包括的に論じる有効な手段として変貌を遂げつつある。その動向をいち早く述べた本書は、著者の一般向け「最終講義」であり、数学基礎論の現代的入門書として格好のものである。
目次
数学基礎論とは
数学と集合論
集合とは
ラッセルのパラドックス
数学とパラドックス
複素数
航海と等角写像
実数の存在
自然数の存在
論理の信頼性〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
12
ゲーデル(12)神本。おそらく需要は全くないと思うのだけど、人生のどこかで数学基礎論を学ばなきゃいけない事態に陥った人がいたら、ぼくは迷わずこの本を第1冊めにオススメする。論理学の基礎から不完全性定理以降まで、数学エッセイも数本。数学基礎論概説書の多くは、大学での講義の教科書用に書かれていて、講義の言葉(=音声)じゃないと伝えられない肝心な部分がハショられている印象をもつのだが、この本は「ナマッぽい部分」も文字化されていて独習にはぴったしだと思う。だからといって、不完全性定理が理解できるわけでもないのだが2016/04/06
ipusiron
0
1999/6/5読了