内容説明
1906年生まれのビリー・ワイルダーは今年(2000年)で九十四歳、1957年生まれの著者は四十三歳になる。この本は1997年から98年にかけて、つまり三前年から二年前にかけて、著者が聞き手となって断続的におこなわれたワイルダーへのロング・インタビューの記録である。ちょうど著者が『ザ・エージェント』でアカデミー賞のノミネートを受けた直後に第一回のインタビューが始まり、『タイタニック』が作品賞を獲った翌年の同賞の授賞式直前に最後のセッションが終了したようである。しだいに老いの影が忍び寄るとはいえ年齢に比して格段に壮健なワイルダーの、日々の生活が生き生きと描かれている点でも、本書は貴重なドキュメントとなっている。
目次
ジャック・レモンとジョージ・キューカー
『お熱いのがお好き』のラストシーン
ケイリー・グラントはいつも私の手から滑り落ちた
スピルバーグとキューブリック
ゴールドウィンには映画を見抜くカンがあった
シャルル・ボワイエとゴキブリ
ベルリンで踊る
チャールズ・ロートンこそは理想の俳優
ルビッチ・タッチ
マリリン・モンロー
チャールズ・ブラケットとI.A.L.ダイアモンド〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
17
映画にそれほど詳しくないもので、和田誠の絵が表紙の映画本は「あたり」と決めている。これはビリー・ワイルダーに特化した本なので、正直よくわかったとは言えないけれど、詳しくない私でも知ってる映画が多くて楽しい。こうなると映画を観たくなってしまう。特に『お熱いのがお好き』。トニー・カーティスとジャック・レモンが女装するのですが、これがまあ綺麗。素敵。ジャック・レモンなんて、写真によっては女の子にしか見えない。三谷幸喜は絶対にビリー・ワイルダーが好きだろうな、と思う。何故かそれだけは確信できた。2023/04/11
たらお
15
BWの作品。若い頃見て、忘れてしまっているのもあるので、最近見なおしている。本書は彼の映画をある程度覚えていないとついていけない。そして、読むともう一度見てみようと思う。彼の作品は役柄の表出のさせ方が抜群。「お熱いのがお好き」でモンローとの思い出を語る部分がある。彼女がフィルムに映れば素晴らしいものになることはわかっている。だが、しかし、撮影するためには彼女の遅刻を我慢し、不安定な情緒と付き合わなければならない。自分を殺してまでも彼女で撮りたいと思わせるMMの魅力。映画にも確かにそれは表れている。2021/03/07
mizzan72
6
ビリー・ワイルダーへのインタビューをまとめた本。自らも脚本を書き、監督を手掛けるキャメロン・クロウだからこそ聞ける、製作者の内面に踏み入った質問が多く、興味深く読んだ。また、インタビュー嫌いのワイルダーへの接触を画策し、徐々に信頼を得ていく序盤は、ノン・フィクションの読み物としてもおもしろく、映画人らしい構成の妙も楽しめる。良作。2016/09/04
takao
2
ふむ2023/11/24
koy_ou
1
ワイルダーファンは必読だな2020/11/28