感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
3
「見る」「描く」「作る」といった観点から履軒を取り上げた小冊子。口絵カラー。大阪大学で行われた「中井履軒から超高圧電子顕微鏡まで」の展示参考資料。履軒は儒者だが、顕微鏡を入手して自分の髭や蠅を観察して本邦最古の記録をなしてみたり(顕微鏡は蒹葭堂にあったものを元に制作された国産品で、春水が「外出をしない履軒がわざわざ顕微鏡見に出掛けた」って日記に書いてる)、天体模式図作ったり動植物の図鑑作ったり解剖図描いたり粘土捏ねて香炉作ったり、旺盛な好奇心のままに実にこまめにせっせと手を動かしているのが興味深い。2015/09/09