叢書・20世紀の芸術と文学
モーリス・ラヴェル―ある生涯

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  • サイズ A5判/ページ数 231p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784871984690
  • NDC分類 762.35
  • Cコード C0373

内容説明

『ボレロ』『左手のためのピアノ協奏曲』『子供と魔法』などの作曲家、モーリス・ラヴェル。二〇世紀前半のフランス文化界において、最も有名でありながら、その生涯が最も謎めいていた人物。その最大の謎は、彼は同性愛者だったのか否か。本書において、著者イヴリーは、多くの議論がなされてきたラヴェルの性的特質の「謎」に納得のいく決着をつける。この作曲家について書かれた本は数多くあるが、ラヴェルが同性愛者であったことを、はっきりと「宣言」したのは本書が初めてである。そこを立脚点として、本書ではラヴェルの謎めいた性癖が、作品にどう影響を与えたかが論じられている。これまで専門家にすら知られていなかった、未公開文書、書簡、記事、そして、記憶を駆使することによって、イヴリーは、人として、音楽家としての総合的なラヴェル観を示す。主要作品についても詳細に論じられるが、その作品解説にあたっては音楽の専門用語を用いず、クラシックの専門的知識のない読者にもわかりやすく書かれている。

目次

第1章 誕生から音楽院まで(一八七五~一八九九)
第2章 アパシュの面々(一九〇〇~一九〇七)
第3章 ダフニス前後(一九〇八~一九一三)
第4章 ラヴェルと戦争(一九一四~一九一九)
第5章 屋根の上の牛(一九二〇~一九二五)
第6章 人生の小春日和(一九二六~一九三二)
第7章 衰弱と昇天(一九三三~一九三七)

著者等紹介

イヴリー,ベンジャミン[イヴリー,ベンジャミン][Ivry,Benjamin]
詩人・翻訳家。伝記『アルトゥール・ランボー』と『プーランク』で絶賛される。現在マンハッタンを拠点として、各種芸術にかんする執筆、講演、番組出演に活躍中

石原俊[イシハラシュン]
翻訳家・随筆家。1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽・写真等の芸術全般とメカニズムに造詣が深く、文明批評としてのオーディオ評論、ディスク評論、芸術写真評論を各誌に連載
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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たかっち

0
セクシャリティはどっちでもいい、本当に。2011/05/23

hr

0
ローマ賞についての記述の箇所を拾い読み。フーガを書くことと詩的価値のない歌詞でカンタータを作ることが、ラヴェルにとっては不本意だったらしい。初めてのローマ賞挑戦ではフーガで「楽理上の違反」で0点をつけられているようだ。あと「かつてベルリオーズがそうであったように、彼は課題テクストの価値を認めず、努力をするに価せずとみなした」という記述があるが、これはラヴェルがどの場面でもらした発言なのか。言い訳のようにも読み取れる。ちなみに「アパシュ」というグループ内で、ラヴェルとカプレは面識があることが分かった。2018/01/21

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