鱈―世界を変えた魚の歴史

鱈―世界を変えた魚の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784870313606
  • NDC分類 664.65
  • Cコード C0098

内容説明

中世以来のヨーロッパ漁業史、アメリカ独立戦争、食品工業史、そして現代の環境問題まで、「鱈」を通じて語られる地球のエコロジー。視野の広さと有機的知識の結びつきにより、欧米で「認史認識が改まる」と高く評価された話題の書。タラ料理のレシピ付き。

目次

第1部 魚誌(タラ漁場争奪戦;貪食の魚;コッド・ラッシュ ほか)
第2部 限界(九百万の卵と漁業改革;二つの新技術;外界を知ったアイスランド ほか)
第3部 最後の漁師たち(グランド・バンクス挽歌;自然の逆襲)
食物誌 タラ料理の六世紀(タラの正しい戻し方;ソローの心配;臓物 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

15
読んでてお腹がすいた。鱈料理のレシピがいっぱい。その獲得のため人々に大海を渡らせる食材の話はいくつも読んだけど、農作物をのぞきターゲットとされたものはいずれも激減の憂き目にあっている。足を濡らさずに海を渡れるくらいの群れであった鱈、ニシンも同じですね。狭い土地で人が増えすぎて食料を賄いきれなくなり外洋に活路を見出す。侵略の始まり。奴隷の主食料が干し鱈であったため、また鱈をいっぱい確保しなくてはならないとはなんたる地獄。地産地消とは人が懲りに懲りて行き着いたものなのだな。その土地の力に見合った数の人間しか2022/04/26

厩火事

3
鱈戦争なるものがあったという話を聞いて気になったので読んでみました。鱈って奥が深いのね・・・2017/12/25

yamatoshiuruhashi

3
鱈という魚がいかに世界の歴史にかかわってきたか。結局、人類は生存のための食料を求めているのである。そのおおきな供給源が魚であり、鱈であったということ。非常に面白い本だが、「世界」とは欧州と北米であり、そこに絡んでくる地中海世界を通じたイスラムが多少というところ。日本のことも少し出てくるが鱈を食べるということくらい。鱈が人類の蛋白源となり故に技術の発展と国家、民族の抗争の素になったという一連の流れは面白い視点である。奴隷、糖蜜との三角貿易の一点だけでも深く掘り下げられるテーマだろう。2016/02/24

がんぞ

2
十世紀頃までヴァイキングはクジラをよく食べていた。タラは何にでも(タラの幼魚でも)食いつくので釣るのは簡単、それを干し魚にして長い航海の食料とし、北アメリカ大陸にも渡って拠点を作った/バスク人は塩魚にし更に保存性を高めた/独立戦争の交渉は漁業権で揉めたが、ニューイングランドがそれを得た(南部とフランスは反対した)代償に西インド諸島(砂糖とラム酒の産地)との通商を禁じられた。奴隷制度廃止も宣言から削除←南北戦争の遠因/彼の地の奴隷の主食は干し魚で1780〜87年の間に1万五千が餓死/近年は延縄漁で漁獲量激減2022/03/05

dongame6

2
鱈と言う魚種とそれを獲る人の歴史。水産資源と人間のかかわり方が歴史が進むにつれて変わっていくのが面白い。人間社会の宗教や人口の移ろいや技術の発展によってタラ漁は大きく変わっていき、20世紀の終わりに破綻が見えてくるというのは、きっと鱈以外の水産資源でも似たような事があるんだろう。タラの色々な食べ方が紹介されているが、多くの食材(鱈のとか)が容易に手に入らないのが悔しい2019/06/29

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