内容説明
『インフィニティ』の戦いのさなかに炸裂した「テリジェン・ボム」は、超人類インヒューマンズの遺伝子を持つ人間を超人に変えた。ジャージーシティに住む１６歳のムスリムの少女、カマラ・カーンもその一人。家族や友人、周囲との関わり方に悩む一方で、二次創作まで手がけるヒーローオタクでもある彼女は、偶然、手に入れたこの力とどう向き合っていくのか？新世代のヒロインとして注目を集めるＭｓ．マーベルのデビュー作にして、ヒューゴー賞を受賞した傑作がついに登場！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
28
ドラマもディズニー+で公開されて注目度が上がってるような気がします。ここ最近新しく登場したヒーローのデビュー譚を邦訳で読めるのは嬉しい限り。アメコミヒーローは一人ひとりに長い歴史と積み重ねられたエピソードがあるのでこういう新規のヒーローってのは入り込みやすいし、ティーンエイジャーだからこそ悪戦苦闘し、悩み、アイデンティティに苦しみながら成長すると言うのは新鮮だ。ムスリムの文化や宗教に変に重きをおかず丁度いい塩梅にしてるのは脚本の旨さですかね。絵柄も今風でキャッチーな作画。2022/06/24
すけきよ
21
『無限の書』のG・ウィロー・ウィルソンがライターを務める。イスラム・ムスリムに抱きがちな「異質」「厳格」「怖い」という印象を払拭してくれるのがカマラの魅力。現代アメリカのティーンエージャーとしてやりたいことはあるのに、ムスリムのルールに縛られてしまう。でも、それは決してムスリムに限ったことではなく、普遍的なテーマ。また、新米ヒーローの失敗や成長ともシンクロしている。カマラちゃんのへの字口がいいのよ。イスラム教を軽んじることなく、でも、今風の軽さを持った主人公像は、イスラムに改宗した作者ならでは。オススメ。2018/01/10
yyrn
11
マイ・Xmasプレゼント用に購入。新しいマーベルのヒーローが登場するということで期待したが、日本のマンガのようなスピーディーさがない。映画の名場面を紹介するスティール写真を繋いだようなコマワリで、絵は細部まで描き込まれ、色も鮮やかで優れているが、それだけでは響かない。ストーリーの展開もまるで映画のようで、マーベル初のムスリムの女子高生が活躍する話のせいか、ムスリムの習慣や厳格な両親に縛られて思うように活動できないもどかしさなどの背景説明に力点が置かれて、事件解決への爽快感が足りない（第一話目だから？）。2019/12/29
サケ太
11
非常に面白い。ムスリムの女子校生、カマラ・カーンは家族や友人、教えが嫌いなわけではない。だが、どうしても縛られてしまう人生が嫌だ。悩む少女が偶然手にした力。ヒーローとなった彼女はどう生きていくのか。ヴィランもなかなか濃ゆい。男友達ブルーノとの距離感も好き。非常に続巻が楽しみな作品。2018/02/15
アン・シャーリー
4
新しいMs.マーベル（キャロル・ダンバースは現在キャプテン・マーベルと名乗っているそうです）は16歳のムスリムガール、カマラ・カーン。インヒューマンズが発生させたなんとかミストの影響で、大きくなったり小さくなったり、金髪になったりできる。いまのところ、超能力はそうした身体変形能力だけかな？ 連続刊行のほか二冊のヒロインとくらべると、ぶっちぎりで王道のヒーロー展開しててかわいいです。まじめ系褐色娘として日本でも人気が出るにちがいない。2018/01/05
