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MC新書
言葉の海へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 317p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862481665
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0223

内容説明

英語のウェブスター、仏語のリトレに比肩する辞書をこの国につくる!17年間ほとんど独力でわが国初の近代国語辞書を生み出した大槻文彦は、単に辞書づくりの職人とか学者であるところから、はるかに遠くにいた。国語の統一こそが独立の標識と考える、言葉の真の意味でのナショナリストと呼ぶにふさわしい存在であった。彼の最大関心は、国の独立、国の盛衰、国の道徳にこそあったのだ。その使命に燃え、妻に先立たれ、子を失いながらも17年を費やし、遂に『言海』を完成させた大槻文彦の生涯を激動の時代に重ね合わせ感動的に描き出す構えの大きいノンフィクション。

目次

第1章 芝紅葉館明治二十四年初夏
第2章 洋学の血
第3章 父祖の地
第4章 戊辰の父と子
第5章 遂げずばやまじ
第6章 盤根錯節

著者等紹介

高田宏[タカダヒロシ]
1932年京都生まれ。石川県江沼郡大聖寺町(現・加賀市)に育った。京都大学文学部(仏文専攻)卒業。光文社、アジア経済研究所、エッソ石油で諸雑誌を編集、84年よりフリー。作家、日本ペンクラブ理事、石川県九谷焼美術館館長、深田久弥山の文化館館長。主な著書に『言葉の海へ』(78年、大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞、新潮社)、『木に会う』(90年、読売文学賞受賞、新潮社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

82
祖父、父から受け継ぐ大義。幕末から明治維新の激変の渦中、自然高まる民族意識。様々な出会いの中でも、祖父の”事業哲学”と、箕作奎吾の”言葉”が礎。前者はヒトとして、後者は専門家としての指針。伊香保での逗留が、大きな転機という印象。自身の辞書編纂方針を見つめなおすことができたのではないだろうか。踏まえての”自費”出版には唖然。但し、祝賀会に集まった面々と言葉が、最大の慰労であり評価。遺志を受け継いで、『大言海』を完成させた初男の他界。集大成の瞬間。近代国語辞書の確立、感謝。2022/05/05

コニコ@共楽

17
『舟を編む』のドラマを見て、『博士と狂人』の本を読書会で取り上げて、では、日本の最初の近代国語辞書をどうやって生み出していったかが気になり出した。この本で、『言海』なる辞書が大槻文彦、一人のことばへの中毒ともいえる熱意と、日本国への独立にかける使命から出来上がったことを知る。彼の辞書への道は動乱の幕末から始まり、洋学を修めた祖父の代から面々と続いていた。OEDがサポートがあったのに比べ、『言海』の誕生が私費出版という点で、国の文化に対する姿勢―やりがい搾取―を憂えてしまう。2024/04/11

メタボン

7
☆☆☆ 骨太の伝記。むしろ明治前史と言っても良い。登場人物は多士済々。「舟を編む」をきっかけにしてたどりついた大槻文彦だったが、漢文と和文の混じった跋文は名文だとおぼゆ。言海は骨太すぎて辞書として私が活用することはないと思うが、「ねこ」の項を読んでその愛らしさに心惹かれたので、図書館でパラパラと眺めてみたい。2013/07/06

5
「言海」編纂者である大槻文彦の伝記小説、という紹介がなされているが「言海」の成立背景を描いたノンフィクション作品、という表現がより正確だ。 大槻文彦や大槻家三代の伝記としては叙述が全く足りない。そうかといって辞書そのものに注目しても編纂の情景描写は少なく、編纂に関するエピソードも殆ど無い。 「幕末維新期の激動期に生きた知識人が、明治の国家的要請としての辞書編纂事業に邁進する時代背景を周到に描き出した、構えの大きなノンフィクション」とある解説が全く正しく本書を言い表している。 辞書編纂について知りたい読み手2012/09/02

メルセ・ひすい

4
13-83 赤23 明治24年6月23日 芝・紅葉館で『言海』の出版祝賀会 出席について。福沢諭吉58歳の狭量。☆当初は出席予定であったが、祝宴での演説次第書を読み止めた。伊藤博文の次に名前があるのが不服。イロハ順が染みついていて、50音順の『言海』が納得できなかった。「小学校でもハヤ20年来50音を教えている。ことも思い至らなかった」 58歳と高齢のせいか??                              2010/05/07

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