内容説明
女に翻弄される男たち!死を呼ぶ三角関係の悦楽と慚愧。法の限界に苦悩する弁護士作家が、法で裁けぬ愛憎の謎を活写する。
著者等紹介
浜尾四郎[ハマオシロウ]
1896(明29)年、東京生まれ。1923(大12)年、東京帝国大学法学部を卒業。25年、東京地方裁判所の検事に就任。28(昭3)年に辞職し、弁護士を開業。29年、処女短編「彼が殺したか」を発表。以後、「殺された天一坊」(29年)「彼は誰を殺したか」(30年)など、「法律的探偵小説」と評される優れた作品を残した。長編には、『殺人鬼』(32年)『鉄鎖殺人事件』(33年)があり、戦前には数少ない、S・S・ヴァン・ダイン風の重厚な本格ものとして注目される。35年死去
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感想・レビュー
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来古
1
【創作】「彼が殺したか」「黄昏の告白」「富士妙子の死」「正義」「島原絵巻」「探偵小説作家の死」「虚実」「不幸な人達」「救助の権利」【評論・随筆】2024/05/01
POWER
0
発想はそれなりに面白いのだが、いかんせん描写が淡泊すぎたり冗長すぎたりでイマイチ入り込めない。昭和初期だからこそプロ扱いされたようなもので、平成時代に生まれていたら、たぶんデビューできなかっただろうと思う。「正義」は、アンソロジー『「新青年」傑作選―幻の探偵雑誌〈10〉』に収録されていることもあり、単独としてみれば良作だが、しかし本書の構成の場合、さきに「黄昏の告白」が来ているので、似た構成である「正義」のオチは簡単に分かってしまう。やはり同時代の作家でも乱歩のように今にまで名が残っている人とは格が違う。2013/07/08
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