内容説明
世界に冠たる壮大なロマン『源氏物語』その主人公・光源氏に愛された藤壷と六条御息所という二人の女性の生き方を通じて、作者・紫式部が読者に問いかけているものは、はたして何であるのか。趣味・教養も一級である二人の違いはなにか?理性の抑圧から解放された情念は、愛する者のために、ときに生霊、死霊となって、憑依する。こうした負の愛情を、どのように理解し、人生をどのように捉えたらよいのか。その源氏物語受容史を詳細に、本書は述べる。
目次
1 藤壷の場合(中世まではどう扱われていたか;近世ではどう受け止められていたか;文学史上の藤壷像;戦後研究者の藤壷像;現代作家の描く藤壷像)
2 六条の場合(中世に把握された六条像;中世文芸にみる六条像;近世に受け止められた六条像;近現代研究史の現況;現代作家の六条御息所像)
著者等紹介
上坂信男[ウエサカノブオ]
昭和2年、神奈川県横須賀市に生まれる。昭和25年、早稲田大学文学部(旧)卒業。早稲田大学(文学部)・共立女子大学(文芸学部)教授歴任。文学博士
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