平将門〈上巻〉 (新装復刊)

平将門〈上巻〉 (新装復刊)

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  • サイズ A5判/ページ数 360p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784841507164
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

筑波の山から程近い豊田の里―平小次郎将門の生地である。筑波明神の祭礼の夜契った女(小督)に対する愛情が将門の胸を離れない。将門の父平良将急死の後、一門の同族は所領の横領を企てている。小督の父源護に申し込んだ縁談も、しかるべき官位なきゆえと断られ、伯父等の甘言に乗せられた将門は、官途につくべく従兄貞盛と共に京に向かう。京で、将門が辿る運命は苛酷、無慈悲なものであった。貴子姫との恋も貞盛に奪われ、官位への道も開けない。寂寞と望郷の思いが将門の胸にみちる。空しく坂東へ帰った将門を待つものは伯父達の陥穽である。伯父良兼の妻詮子に図られて、源家へ赴く途上、将門は敵の大軍に挾撃される。将門は、奪然、寡兵をもって敵陣に殺到する。戦機とみに熟し、豪快壮烈な血戦は関東の野に拡がってゆく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

15
源経基は承平九年(九三九年)に武蔵国に武蔵介として赴任した。現地の郡司と対立し、平将門の介入を招いた。これに対して経基は朝廷に平将門が謀反を起こしたと告発した。しかし、この時は将門の主張が認められ、逆に経基は讒言の罪によって左衛門府に拘禁された。2021/10/17

紅花

9
藤原鎌足から250年ぐらい過ぎて、鎌足が基礎を築いた貴族社会、藤原家社会もそろそろ老年期なのかなぁ・・・貴族社会に憧れる貞盛。貴族社会を腐っていると思う将門。対照的な二人が時代背景を良く理解させてくれた。古い時代の分、想像で書ける部分があるから自由度も多いだろうけど、それにしても、叙情的にも叙景的にも随分と細やか。作家によって男性より、女性よりの心情を得意とすることが多いと思う中、老若男女それぞれの心情が良く書かれていて吸い込まれてしまう。2014/01/10

TheWho

4
大河ドラマ「風と雲と虹と」の原作で、随分前にケーブルTVで再放送を観た事が切っ掛けで読み始めた。上巻は、承平天慶の乱の発端を公家社会への憤怒、藤原政権による没落家系の悲哀、勃興期の武家社会の混乱を当時の風俗、史実に掛け合わせて語られている。将門の朴訥とも言える純粋さと峻烈な行動様式には、悲哀さえ感じさせられた。次巻での更なる争いの展開が楽しみである。2013/04/07

よっちゃん

2
将門と財産を狙う一族。有名だけど名前しか知らない将門波乱万丈の人生2016/10/09

ヘムレンしば

2
要領の良い従兄弟の平貞盛と要領の悪い平将門。まるで性質も性格も違う二人だがなんだかんだと仲が良い二人。この二人を中心に少年期から青年期まで語られています。要領の悪い将門は貞盛と違い官位を得る事も出来ず、女も貞盛に取られてしまうという悲惨な目に合うが、貞盛も悪気が無くて、なんとなく憎めない。関東に戻った将門はここでも一族に騙され孤立していくが、一刻なところのある将門。今度は恋する女性を乱暴に奪うという行為に出てしまう。相思相愛とは言え嫁ぎ先の源家も黙っていられる訳もなく、激しい坂東武者の戦いが始まる。2012/05/03

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