内容説明
200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」―秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」―秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。“電撃”が切り開く新境地。第10回電撃小説大賞大賞受賞作家・有川浩待望の第2作。
著者等紹介
有川浩[アリカワヒロ]
1972年生まれ。高知で育ち、進学時に関西へ。第10回電撃小説大賞大賞受賞作『塩の街』(小社刊)にて作家デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
434
出だしでの航空機事故。 安全分析の話がないのが悲しい。 文体が読み易く,展開が軽そう。 ついつい先に読み進んでしまう。 現実に対する問題提起が底流にあるかもしれない。 塩の街、海の底のような深みがあることを表現していることが推測できる。 3度読まないと,有川浩が出した問題の解が見つからないかもしれない。参考文献がしっかりしている。2013/05/27
再び読書
211
いきなり飛行事故で始まりびっくり。UMAとのやり取りが、少しかったるかったのが、本音でスムーズにコミィニケーションが取れないのは仕方ありませんが、イライラ感があり、逆に地球(日本)の危機とは言え、気長に辛抱強く交信した春名には感心した。真帆の暴走には、最後宮じいが全てを解決してしまった。宮じいの存在が大きい。これで瞬も佳江も救われる。後書きを読むと、これもまた「植物図鑑」同様「天空の城ラピュタ」からインスパイヤーされた話としり、びっくり。確かに2万メートルに浮かんでいる様は、ラピュタと言われれば納得。2013/07/19
くろり - しろくろりちよ
182
「自衛隊三部作」「空」。今回はUMA(未確認生物)が出てきちゃったりで、結構トンデモでした。自衛隊や飛行機知識もアリで、豆知識盛りだくさん。分裂した【白鯨】(UMA)を統合失調症と見立てたり精神医学の豆知識も。でも何よりの見どころは、主人公・光稀(みき)のツンデレでしょう!可愛過ぎる…。飄々としてる高巳との掛け合いもいい。ニヤニヤしてしまいます。ストーリーとしてはトンデモでも、光稀に会うだけで開いた価値があった。2011/02/23
しゅわ
151
【図書館】文庫で読んだ有川さんを単行本で再読!祭り中。あとがきのご本人いわく「怪獣物と青春物足しっぱなしで空自を和えてる」という荒唐無稽ぶり…ですが妙に説得力があってアリかも?と読ませるあたり…さすが。白鯨との交渉部分がもってまわりすぎて読みにくいのが難点ですが、いろんな人達の思惑が交錯して、一気に読めます。文庫から入った者としては、大好きな「仁淀の神様」 が載ってないのが寂しかったですが、章ごとの高度計?みたいなシンプルだけど雰囲気を損なわない表紙&イラストは良いですね。なんといっても宮じぃ最高♪ 2013/05/12
瑪瑙(サードニックス)
140
四国沖高度二万メートルで立て続けに起きた航空機と自衛隊機の事故を発端に展開していく物語。なんといっても宮じいが最高にいい!素朴で寡黙で、でもいざとなったら一番的を射た心暖まる言葉をかけてくれる、素敵な方。こういう方を最近はお見かけしない。宮じいのような方が増えてほしいなあ。そうなれば日本の未来にも希望が持てる。仁淀の神様も良いお話。思わず泣いてしまった。2011/08/04