出版社内容情報
にんじん1本、電車1本、柔道の勝負1本……。身のまわりにあふれる「1本」と数えるモノ・コトをあつめ、辞書をつくりました。
内容説明
棒のような形の長いものの1本、映画やテレビの作品の1本、柔道のや剣道の勝負の1本…。身の周りにある「1本」と数えるモノ・コトを集めて、辞書をつくります。
著者等紹介
飯田朝子[イイダアサコ]
1969年東京都生まれ。東京女子大卒。慶應義塾大学大学院を経て、1999年東京大学大学院博士課程修了。博士(文学)取得。現在は中央大学商学部教授。専門は言語学で、日本語の教え方をはじめとした、ことばの意味や使い方を広く研究している
寄藤文平[ヨリフジブンペイ]
1973年長野県生まれ。武蔵野美術大学中退。2000年有限会社文平銀座設立。広告のアートディレクションとブックデザインを中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
76
図書館本。鉛筆を数えても1本、映画や芝居を数えても1本、ホームランを数えても1本ーー数多い助数詞の中から「1本」のみに絞って作られた本。「本」はもともと中国語で書物を表す言葉ですが、日本で独自の進化を遂げ、振り幅の大きい便利な助数詞になりました。寄り藤さんの絵も素敵。2019/09/11
パフちゃん@かのん変更
75
児童書です。「1本の辞書」というタイトルが?だけれど、読んでみると奥が深い。単位としての「本」棒が1本。とか、細長いものを数えるのに使うのは普通として、細長くてもヘビは生き物だから匹。映画が1本とか電車の運行は「本」で数えるし、サッカーヤバスケのシュートも「本」で数える。柔道や剣道も1本勝ちとか。「1本」は奥が深い。家具屋さんでは箪笥も本棚も「本」で数えるそうな。その理由がくわしく書かれていて興味深い。まさに「1本の辞書」でした。2015/10/09
♪みどりpiyopiyo♪
65
おもしろかった♪ 日本語を教えていた飯田先生は、ある日留学生に「どうして、にんじんも、電車も、柔道の勝負も「1本」と数えるの?」と質問され、返事に困ります。そこで、まずは「1本」と数えるモノ・コトを集めて「1本の辞書」をつくってみようと思いたちました。■日本語を話す人が「1本」と数えるときに思い描くイメージを明らかにする、大人も子供も楽しい大調査の軌跡でした☆ (2015年)2017/10/14
ゆか
48
こんなに「本」という数え方について考えたことはなかった。たしかに長いものが、本と数えるのか?と思うと柔道や、剣道の技なども本と数える。そのほかに長いもの以外では、交信、列車やバスの運行、作品や出しもの、ニュースや記事広告、くじなどもある。本は、中国語と意味が違うことから日本語の助数詞は、独自の進化をとげたらしい。古事記などでは、本は、草木を数えるのに使い、もととよんでいたが、鎌倉から細長いものにも本を使い、読み方ももとからほんになったとのこと。勉強になりました。2015/11/09
けんとまん1007
40
確かに、単位というのは不思議なものだっと、以前から思っていた。何故、こういう風に言うのかな・・・と。その中で「本」という単にに絞ったもの。何となくは使っているけど、人によって微妙に違うし、ちょっとのこっとで変えたりしている。ある意味、文化と歴史の表層の一つでもある。寄藤さんの絵が、また、抜群の味だ。2020/03/24