出版社内容情報
南アに古くから住む人々の世界観をよりどころに創作された8つのお話。豊かな自然の中に展開する動物たちの暮らしや冒険を描く。(F-11)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
サン、コーサなど南アフリカに古くから住んでいる人々の世界観や、ものの見かたをよりどころにしながらつむがれる。豊かでおおらかな八つのお話。主人公の動物たちが、変化に富む自然の中でいとなむ暮らしや冒険の物語には、私たちを深いところから元気にしてくれる優しい力があふれています。小学校中級以上。
著者等紹介
ポーランド,マーグリート[ポーランド,マーグリート][Poland,Marguerite]
1950年、南ア共和国ヨハネスブルグに生まれ、ポートエリザベスで育った女性。大学ではコーサ語・ズールー語やアフリカ民話を研究、79年から子どもの本を書きはじめた。『カマキリと月―南アフリカの八つのお話』(79年)および『灰から生まれた星』(84年)でパーシー・フィッツパトリック賞(英語で書きれた南アの最優秀児童書に与えられる賞)を受賞。現在はおもにおとな向けの作品を発表している
さくまゆみこ[サクマユミコ]
1947年、東京生まれ。出版社勤務を経て、現在はフリーの翻訳者。玉川大学・大学院非常勤講師。訳書に『もうひとつの「アンネの日記」』(産経児童出版文化賞大賞)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはなし会 芽ぶっく
10
民話だと思っていたら、南アフリカのサン(ブッシュマンと呼ばれていた 懐かしい)やコーサの人たちの世界観やものの見方から、創作されたおはなしだそうです。『 カマキリと月 / 小さなカワウソの冒険 / ブアブンの花が散る / 絵かきになったノウサギ / ジャッカルの春 / ずんぐりイモムシの夢 / サボテンどろぼうはだれだ? / 雨の牡牛 』 ブアブンの花は乾期のしるし、さやの中には黄褐色の大きな豆がなるそうです。2020/03/25
まつり
2
民話・昔話が好きな自分。日本国内のはそこそこ読んだので、次は世界を! と検索。『福音館文庫 昔話』シリーズに巡り会う。画像イメージでちらりと読める本文を目にしてもう心は釘づけ。シリーズほぼ全巻購入し、読み進める日々。中でもこの本は「う~ん、昔話ではなく創作か~どうしようかな~」とちょっと購入を迷っていた一冊だったが、買って良かった! 動物たちのリアルな挿絵も相まって、文章を読むと主人公たちの動きが手にとるようにイメージできる。一番涙腺に来たのは『絵かきになったノウサギ』。『ジャッカルの春』も良かった!2022/07/10
みぇい
1
先日、人形劇を見て。 * カマキリと月 * ずんぐりイモムシの夢2016/11/18
NakaTaka
1
シリーズ名に昔話とあるが、まえがきを読むと、南部アフリカの人々の考え方や世界観を参考にした創作。民話ではないとはっきり書いている。昔話風の書き方で、厳しい自然の中で生きる虫や動物たちを主人公に8話。カワウソの話はワクワクドキドキ感あり、ジャッカルの話は夫婦愛にほっとし、他の話も地味だけれど力強い物語だった。表題のカマキリと月、絵描きになるノウサギの話は月に関連している。2014/09/01
のん@絵本童話専門
0
南アフリカの少数民族の世界観が多分に反映されているお話なのだそう。自然や野生動物の描写が豊かで美しいお話ばかり。困難を乗り越えたのちの感動にとても弱い私なので、ブアブンの花が散るとジャッカルの春が特に好きだった!語り口や文体は昔話っぽくない、創作の短編集。カマキリと月/小さなカワウソの冒険/ブアブンの花が散る/絵かきになったノウサギ/ジャッカルの春/ずんぐりイモムシの夢/サボテンどろぼうはだれだ?/雨の牡牛2024/01/18