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内容説明
温かかった。春の陽射しも、寄り添う互いの体温も。憶えている?と、鳴は颯音に問いかける。「この『故郷への旅』に出ようとあなたが告げた日の約束」明るい浅藍の空と、それよりも深い色をした水。颯音の故郷の海を見つめながら、鳴は訊ねる。颯音は、頷く。傍らの鳴の温もりを感じながら。憶えている、と。赤く色づき始めた楓の葉が舞う中で交わした約束。小さな命が、その腕の中にあった日。夏と秋と初冬―巡る季節を二人は思い出す。幾つかの出会いと別れを。再び出会うであろう、懐かしく優しい人々のことを。鳴と颯音、二人の軌跡を綴る、初の短編集。
著者等紹介
時海結以[トキウミユイ]
1月6日生まれ。長野県在住。歴史博物館の資料調査研究員として、様々な遺跡の発掘に携わるほか、パズル作家としても活躍。第二回富士見ヤングミステリー大賞準入選の『業多姫』シリーズで小説デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。