感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
53
近藤さんに向かって土方さんが「もともと一党の将器があるあんたを、檜舞台の上で千両役者に仕立てるのが、俺の夢なのだ」というシーンがあるのですが、その後の土方さんの言動がこの夢の為なのだと思うと納得がいきます。鬼になるしかなかった土方さんに代わって、作者が土方さんを弁護してくれているようで、なんともファンには気持ちのよい小説でした。ただ残念なのはページ数が少ないので、もっと丁寧に書いて欲しいと思う場面が沢山あったことです。2013/07/20
Vier
2
これはもう土方の死に様に尽きると思う。取り敢えず今までに読んだ中では一本木関門の例のシーンは一番燃えた。鬼副長と恐れられた土方のもつ“人間らしさ”を描いたエピソードの中でも、恵林尼との話は非常に和む。あと沖田総司の扱いが非常にいい感じ。それと近藤勇との関係も併せて凄く好感が持てる。『沖田総司恋唄』と対らしいのでそっちもいずれ読んでみたい。因みに歴史的な事象は意外とあっさりめなので軽く読めたりする。