花園大学人権論集<br> 棄民のナショナリズム―抵抗の流儀を学ぶために

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花園大学人権論集
棄民のナショナリズム―抵抗の流儀を学ぶために

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784826503921
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C3036

出版社内容情報

「イラク復興支援特別措置法」の成立によって自衛隊は、アメリカ軍の従属部隊として出兵しました。「有事法制」は、戦争を放棄した国から戦争のできる国への転換であり、「国民保護法」とは民衆を政府や自治体の監視下に置いて意のままに管理し動員するための法制です。日本の政治のあり様は、外交や軍事という次元に止まらず、教育や福祉の分野においてもその無節操ぶりは度を越しています。政府のいう「改革」とは敗者と弱者を切り捨てた、勝者とエリートの優遇政策に過ぎません。この底冷えのする反動の嵐を迎え撃つために「人権教育」の原点を明らかにします。

はしがき

●憂ふべき沖縄の現状【石原昌家】
国内戦場を体験した沖縄/歪曲される沖縄戦/沖縄のジレンマひ「基地容認」への世論操作

●自分史としての「有事」【知花昌一】
米軍事独裁の屈辱の時代/有事の実態/本土復帰のくやしさ/独立の声が大きくなって来ている

●キャンパス・セクハラはなぜ起こる?【宮淑子】
セクハラとは何か/キャンパス・セクハラの種類/難しい被害者救済/大学内で多いデートレイプ

●児童虐待の現状と課題【津崎哲郎】
児童虐待の実態/児童虐待とは何か/虐待の家族的要因/虐待の発見/虐待防止法の特徴/今後の課題

●障害者の自立支援とは何か【愼英弘】
自立とは何かひ自立に対するさまざまな見解/目標とされる自立は何か/自立支援とは

●精神障害者ケアマネジメントと人権【三品桂子】
精神障害者に関する法の歴史/ケアマネジメントとは/ケアマネジメントの歴史/さまざまなケアマネジメントの類型ひ精神障害者のケアマネジメントの基本理念/ケアマネジメントの実態と人権

●しょうがい者のあたりまえのくらしと支援費制度 市原美恵・渡邊恵美子・安田三江子
問題意識/支援費制度

 平和で平等な生き方をしたいという、いたって平凡で当たり前の願いが、もうほとんど実現しそうもないところにまでこの国の状況は煮詰まってしまった。
 歴代保守政権でさえ手をつけることのできなかった「憲法改悪」が現実の日程にのぼっているのであって、現に小泉首相は2005年までに「改定」案をまとめるよう自民党側に指示した。有事法制による「常時非常時体制」の確立、イラク復興支援特措法による自衛隊の海外派兵およびそれに伴う自衛隊の実質軍隊化などによって、すでになし崩し的に虫食い状態にされてしまった憲法に、最後の止めを刺そうというのである。
 周知のように、憲法改定は各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、特別の国民投票か国政選挙の投票で過半数の賛成が得られたときに成立することになっている。「改憲」の自民党、「論憲・創憲」の民主党、「加憲」の公明党はいずれも現行憲法を「不磨の大典」としない点で一致しており、上記各党の中に一部存在するリベラリストを除外したとしても、各議院の総議員の三分の二以上はすでに明らかに改憲派によって占められつつある(その意味では、2004年夏の参院選が非常に重大な意味をもつことになる。同ことになった(すでに有事法制によって、その下準備はおおむね完了しているといってよいのだが)。小泉首相はアメリカのイラク侵略を「大義のある正義の戦争である」と国会で答弁し、「正義の体現者・アメリカ」を支援するための海外派兵も道理にかなった選択であると強弁した。仮にそうであるならば、樋口陽一もいうように、「正義の戦争」は職業軍人(自衛隊)によってのみ担われるものではなく、したがって「徴兵制」が不可欠になるというのが論理の流れというものであろう(『世界』2003年12月号)。おそらくは、小泉・安倍等々のネオコン・ラインは徴兵制さえも視野に入れているにちがいない。
 有事法制が成立し、イラク特措法が制定され、翼賛選挙によって改憲派議員が圧倒的多数になってしまった2003年を、私たちは遠くない将来において、歯ぎしりする思いで振り返らねばならなくなるだろう。そして、この2003年は、あの「学徒出陣」から丁度60年目にあたる年であった。
 私たちの花園大学人権教育研究センターは純然たる研究機関であるが、「戦争こそが人権侵害の最たる社会的現実」であることを深く心に刻むならば、純然たる研究機関もまた反戦・平和・反差別の運動体たらざるをえま

目次

憂ふべき沖縄の現状
自分史としての「有事」
キャンパス・セクハラはなぜ起こる?
児童虐待の現状と課題
障害者の自立支援とは何か
精神障害者ケアマネジメントと人権
しょうがい者のあたりまえのくらしと支援費制度
殺人者にされた一家
部落問題の現状と今後の課題

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