出版社内容情報
人間の記録 第13巻 棟方志功「わだはゴッホになる」
四六版 本体1,800円
ISBN 4-8205-4252-4
棟方志功(1903~1975)青森県出身
自由奔放な作風で知られる、国際的にも高い評価の版画家。
「釈迦十大弟子」など、仏教の影響を受けた作品が多い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
42
日本経済新聞連載。生い立ちから71歳までの志功の「履歴書」。青森弁が混じる文章は軽快で楽しい。志功の作品に感じるプリミティブさは、土台に原始信仰に近い昔の日本的な仏教があるからか。転んだ目の前に咲いていた花を見て「きれいな花コ」と、思わず笑い拝んだという少年の眼は、片方の視力を失った晩年の志功の「板刀を持てば見えてくる眼」であり続けたのだろう。後半は『板散華』からの抜粋。板画や浮世絵師とその作品について。当て字も多く読み難いが情熱的な文章で、志功がどれだけ板画を愛し大きなものと捉えていたかが伝わってくる。2015/09/30